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ハウスメーカーと工務店の違いとは?選び方のポイントも解説
家づくりを考えたときに、ハウスメーカーと工務店のどちらに依頼すべきか悩む方は多いはずです。検討するにも、両者の違いがよくわからなければ、判断に迷うところでしょう。
そこでこの記事では、両者の違いを価格や品質など複数の観点からわかりやすく解説していきます。それぞれのメリット・デメリットも説明していますので、自分にとってふさわしい建築会社を選ぶ参考にしてください。
- 目次
ハウスメーカーとは
ハウスメーカーとは、住宅を工業的に生産する企業のことです。1950年代後半に、木造在来工法のみに頼っていた住宅建築の代わりに登場しました。
軽量鉄骨やプラスチックなどの工業材料を使用し、パネルやユニットを工場で大量に生産します。その結果、高い品質を保ちながら、多くの住宅を安定して供給できるようになりました。
ハウスメーカーの住宅は工法や部材、サイズなどの基本仕様が一定であり、行政からの一括認可を受けて生産されています。工業化と大量生産により、多くの人々が望んでいる高品質な住宅を提供できるのが利点です。
メリット
ハウスメーカーを選ぶ利点のひとつは、経営基盤が安定していることです。とくに大手ハウスメーカーは景気の変動に強く、アフターメンテナンスの提供が途絶える心配が少ないため、安心して家づくりができます。
また、全国にモデルハウスや営業拠点を持っているため、どこに住んでいても相談や打ち合わせがしやすく、地域による選択肢の差もほとんどありません。充実したアフターサービスとブランド力も、大手ハウスメーカーならではの魅力といえるでしょう。
さらに、大手ハウスメーカーは研究開発にも力を入れており、最新の建材や技術を用いた高性能な住宅を提供できるところもあります。提案力も高く、豊富な経験と知識を持つ専門スタッフが理想の住まいづくりをサポートできるのも強みです。
デメリット
大手ハウスメーカーの主なデメリットは、坪単価の高さです。高品質な住宅性能やブランド力、そして全国展開のモデルハウスや広告費などが費用に反映されるためです。結果として、初期費用が高額になりやすく、住宅ローンの返済計画にも影響が出る可能性があります。
それに加え、プランや建材の選択肢が限られる場合も考えられます。全国で統一されたプランや一括生産の材料を使用するため、クオリティが安定しており、多くの方が住みやすいと感じる設計に研究されていますが、規格から大幅に外れた造りは難しいこともあります。
さらに、大手ハウスメーカーでは営業や設計、現場監督など、各段階で担当が分かれています。多くの人の手によって家を建築するため、伝達ミスの発生リスクをゼロにすることが難しく、細かな要望まで滞りなく反映されているか入念に確認することが望ましいでしょう。
工務店とは
工務店とは、住宅建築における総合的な役割を担う業者のことです。元来、大工の親方が設計からさまざまな職人の手配までを一手に引き受ける形から始まりました。現代では、工務店は多様化しており、設計から施工、デザインに至るまで幅広いサービスを提供しています。
伝統的な職人主導のものから、デザインを重視するもの、施工に特化したもの、フランチャイズやハウスメーカー型、さらには開発業務までを行うものまでさまざまです。
また、多くの工務店は複数の要素を組み合わせたサービスを提供しているため、住宅建築を総合的にサポートできます。
メリット
工務店を利用する主な利点は、コストパフォーマンスの高さです。ハウスメーカーより小規模で運営しているケースが多く、広告や人件費などの負担が少ないため、住宅建設にかかる費用を削減できます。
また、施工の自由度が高いこともポイントです。狭小地や特殊な地形にも柔軟に対応可能であり、利用者の細かな要望にも応えやすい点も工務店の魅力といえるでしょう。
さらに、地域に深く根付いている信頼の厚い工務店に建築を依頼すれば、迅速で親身な対応が期待できます。そのため、建築後のリフォームや増築など、細かな相談にも快く応じてくれる可能性が高いです。
デメリット
工務店はサービスや施工技術、使用する材料の品質にも大きくばらつきがあるため、選定の際には注意が必要です。とくに、大工の技術や担当者の経験が仕上がりに大きく影響を与えるため、優れた職人や信頼できる担当者を見つけることが重要です。
また、工務店はハウスメーカーと異なり、住宅展示場やモデルハウスが少なく、完成した物件を見学する機会が限られています。そのため、具体的なイメージを持ちにくく、建設後に期待とのギャップを感じることもあるかもしれません。
こうしたデメリットを踏まえたうえで、工務店に依頼すべきかどうかを考えるとよいでしょう。
ハウスメーカーと工務店の違い
ハウスメーカーと工務店の違いは、以下のポイントにあります。
● 施工エリア
● 価格
● 品質
● 設計の自由度
● アフターメンテナンス
● 倒産のリスク
詳しく解説していきます。
施工エリア
まず、工務店は施工エリアが狭く、ハウスメーカーは施工エリアが広い点がそれぞれの大きな違いのひとつです。
工務店は主に地元密着型で運営され、地域特有の気候や文化を熟知しているため、地元の風土に合わせた細やかな提案が可能です。地域によっては、特定の気象条件や生活習慣に合わせた家づくりが求められることがありますが、工務店はこうしたポイントを押さえた提案が得意な傾向があります。
一方、ハウスメーカーは国内の広い範囲に支店を持ち、ほぼ全国どこでも建築が可能です。遠方でも信頼できるメーカーに依頼することができ、ブランド力による将来的な売却価値の保持も期待できます。さらに、各地域にモデルハウスを持っていることも多く、完成後のイメージを具体的に捉えやすいのも大きな強みでしょう。
価格
住宅の価格において、工務店は一般的にハウスメーカーよりも低価格でサービスを提供する傾向があります。
ハウスメーカーは、材料の大量生産や一定規格での建築により、材料コストや人件費を削減する工夫を行っています。一方、全国各地の事務所やモデルハウス、広告などを展開し続けるには、それらの費用を間接費から賄わなくてはなりません。
また、ハウスメーカーはより高性能で安全な住まいを幅広く提供するため、耐震性や断熱性などの最先端技術に投資していることも多く、こうした技術コストが価格に反映されることもあります。
一方、工務店は地元密着型の運営により広告費や人件費を抑えられるため、結果的に低価格で建築できる場合が多いです。とはいえ、ハウスメーカーのように材料の大量ストックを持つことが難しいことから、材料費の高騰など市場の影響を受けやすい点も否めません。
技術的な先進性やエリアを選ばない利便性を求める場合はハウスメーカー、コストパフォーマンスを重視する場合は工務店が適しているといえるでしょう。重要なのは、予算に応じて適した建築会社を選ぶことです。
品質
住宅の品質に関しては、ハウスメーカーが一般的に安定して品質の高い住宅を建てられる傾向があります。加工された建材を工場で大量生産し、現場での組み立てに重点を置くことで、職人の技術差による品質の変動を最小限に抑えられるためです。
一方で、工務店は職人の手による一つひとつの作業が住宅の質を左右します。そのため、工務店を選ぶ際には過去の実績や口コミをしっかりと調査し、信頼できる職人技を持つ工務店を選ぶようにしましょう。
設計の自由度
工務店はハウスメーカーに比べ、一般的に自由度の高い設計が可能です。
ハウスメーカーでは多くの場合、工程の効率化と品質の均一化を図るためにプリセットのプランや限定された設備のなかから選択する形式になることが多いです。そのため、オーダーメイドの自由度はやや限られる傾向にあります。
一方で工務店では、顧客の要望に応じて一から設計を行うため、細部にわたるニーズにも柔軟に対応できます。個性的でオーダーメイドの住宅を実現させたいなら、工務店がよりよい選択肢となるでしょう。
すべてを自分で決定したい人には工務店が、ある程度の枠内で選択したい人にはハウスメーカーが適しています。
アフターメンテナンス
アフターメンテナンスの充実度において、ハウスメーカーが工務店よりも上位に位置づけられることが一般的です。
ハウスメーカーは、長期間の保証や定期的な点検サービスを提供する体制が整っており、住宅のメンテナンス時期を見逃す心配が少なく、利用者の負担を軽減します。また、アフターサービスに関するマニュアルの提供や、経験豊富なスタッフによる一貫したサポートも魅力です。
対して工務店は、倒産のリスクや個々の対応力のばらつきがあるものの、トラブル発生時はすぐに対応してくれる場合があります。アフターメンテナンスの内容を検討する際には、長期的なサポートの充実度や具体的なサービス内容まで、細かく調べるようにしましょう。
倒産のリスク
ハウスメーカーと工務店では、倒産リスクにも差があります。ハウスメーカーは規模が大きく、事業の多角化や資金力の厚さからリスクが分散されているため、倒産の危険性が低いといえます。
一方、工務店は小規模で運営していることが多いため、経済環境の変動により倒産のリスクが高まるおそれがあります。
ただし、工務店が「住宅完成保証制度」に加入している場合、工事が中断した際のリスクを減らすことが可能です。一定の費用保証や工事の引き継ぎがスムーズに行われるため、工務店選びに際しては、保証制度の有無を確認することが重要です。
ハウスメーカーと工務店それぞれの選ぶポイント
ハウスメーカーと工務店のどちらがよいのかを考える際、以下のポイントから比較するとよいでしょう。
ハウスメーカーの場合
ハウスメーカーの場合、以下3つのポイントに注目してみましょう。
● デザインの得意分野
● 対応している構造と工法
● アフターサービスの充実具合
デザインに関しては工務店より選択肢が限られていることもあるので、しっかりと検討することをおすすめします。
デザインの得意分野
ハウスメーカーを選ぶ際、デザインの得意分野を理解することが重要です。各ハウスメーカーには、モダンや南欧風、アメリカンスタイルなど、特定のデザインテイストに特化した強みがあります。
自分の好みや理想とする住宅スタイルに合ったハウスメーカーを見つけるには、カタログの確認や展示場で実物を確認するとよいでしょう。デザインの細部にまで目を向け、自分のライフスタイルに最適な空間を提供してくれるハウスメーカーを選ぶことが、満足のいく家づくりにつながります。
対応している構造と工法
ハウスメーカー選びでは、取り扱っている構造や工法の種類にも注目しましょう。たとえば、木造軸組工法は間取りに柔軟性があり、2×4工法は耐震性や耐火性に優れています。
鉄骨造は軽量鉄骨と重量鉄骨に分かれ、軽量鉄骨は品質の安定感があり、重量鉄骨は大空間も作りやすい設計の自由度が特徴です。鉄筋コンクリート造は耐震性や防音性、耐火性に優れています。
構造や工法の特性を理解し、自分の理想に近い家づくりが得意なハウスメーカーを選ぶように心がけましょう。
アフターサービスの充実具合
ハウスメーカー選びで見逃せないのが、アフターサービスの質です。将来的な点検や修理が必要になった際に、充実したサポート体制があるかどうかは大きな差となります。
法律で定められた10年の瑕疵担保責任に加え、独自の長期保証を提供しているハウスメーカーを選ぶことで、長期間にわたり安心して暮らせるでしょう。
また、アフターメンテナンス専門の部門や担当者がいるかどうかも、安心感につながる重要なポイントです。専門知識を持ったスタッフからのサポートを受けることで、住まいの質を長く保つことが可能になります。
工務店の場合
工務店の場合は、以下3つのポイントに着目するとよいでしょう。
● 対応エリアの範囲
● プランの提案力
● スタッフたちの人柄
とくに対応エリアの範囲、具体的には住宅を建てる土地と工務店との距離がなるべく近いところを選べるとよりよいです。
対応エリアの範囲
工務店を選ぶ際には、希望する建設地に対応しているか、そして距離がどの程度かを把握することが重要です。地元に根ざした工務店の場合、地域の特性や条件を熟知しているため、より細やかなサービスや提案が期待できます。
また、工務店が建設地に近いほど現場の管理がしやすくなり、工事中の細かな調整や入居後のアフターサービスにすばやく対応できるメリットがあります。住宅近くの工務店に依頼することで、建築プロジェクト全体のスムーズな進行と、長期的な住宅メンテナンスの安心感が得られるでしょう。
プランの提案力
工務店を選ぶ際、プランの提案力が高いかどうかは重要な要素のひとつです。とくに、初回相談での聞き取り能力と応答性に注目しましょう。
よい工務店は、依頼者の要望を丁寧にヒアリングし、聞き取った内容に基づいたプランを提示することが可能です。また、実現が難しい要望には、適切な代替案を提案する柔軟さも持ち合わせていることも多いです。
一方、すべてにおいて「できます」と答えるような工務店や、自社のスタイルを無理やり押し通そうとするところは避けるべきでしょう。このような姿勢は、工務店の提案力不足を伝えているようなものです。
スタッフの人柄
工務店を選ぶうえで、スタッフの人柄もきちんと確認しておきましょう。家づくりは複数の打ち合わせや入居後のフォローなど、長期的な関係が求められるためです。
ただし、初対面では人柄や相性を判断するのが難しいため、複数回の面談や実際に過去に建築した家のオーナーとの会話から、スタッフの対応の仕方や態度を見極めるとよいでしょう。
まとめ
ハウスメーカーは全国的な展開と安定した品質、充実したアフターサービスが魅力ですが、価格が高めで設計の自由度が限られることがあります。一方、工務店は地元密着型でコストパフォーマンスに優れ、設計の自由度が高いですが、品質やサービスにばらつきがあります。
いずれにせよ、ライフスタイルや価値観に合わせ、信頼できる建築会社を選ぶことが理想の家づくりには欠かせません。
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