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2025年1月20日

長期優良住宅を建てると後悔する?6つの理由と後悔しないために押さえるべきポイント

長期優良住宅を建てると後悔する?6つの理由と後悔しないために押さえるべきポイント

日本は、地震をはじめとする自然災害が毎年発生する災害大国として知られています。そのため、新しく家を建てるにあたって、耐久性を重視する方は少なくありません。もし耐久性が高い住宅を希望する場合は、長期優良住宅がおすすめです。

ただし、長期優良住宅にはいくつか注意点が存在しており、対策を考えておかないと家を建てたことを後悔する可能性もあります。記事内では、長期優良住宅の基礎知識をはじめ、後悔しやすいポイントや認定を受けるメリットなどについて解説しますので、興味を持った方はぜひ最後までご覧ください。

目次
  1. 「長く安全に暮らせる」と認定される「長期優良住宅」とは?
    1. 長期優良住宅の定義
    2. ZEH住宅との違い
  2. 長期優良住宅の認定基準
  3. 長期優良住宅を建てると後悔する?6つの理由
    1. ①建築スケジュールが長くなる
    2. ②申請費用がかかる
    3. ③基準を満たすために設計が制限される
    4. ④定期点検やメンテナンスが必要になる
    5. ⑤増改築やリフォームのたびに許可が必要になる
    6. ⑥工事途中の計画変更に手間がかかる
  4. それでも長期優良住宅を建てたい!6つの魅力
    1. ①資産価値が高く売却時に有利
    2. ②税控除の対象になる
    3. ③住宅ローン金利の優遇を受けられる
    4. ④地震保険料がお得になる
    5. ⑤補助金を利用できる可能性が広がる
    6. ⑥家が長持ちする
  5. 長期優良住宅で後悔しないための6つのポイント
    1. ①維持管理ができるか考える
    2. ②確定申告の際に必ず税金の控除申請をする
    3. ③実績のある施工業者に依頼する
    4. ④万が一違反した際の罰則や規定を知っておく
    5. ⑤長期優良住宅「相当」にならないよう認定を受ける
    6. ⑥建築から維持までにかかるコストと税制面での優遇を比較する
  6. 長期優良住宅で受けられる税制優遇とは?
    1. 所得税の特別控除がある
    2. 登録免許税が軽減される
    3. 不動産取得税がお得に
    4. 固定資産税の軽減期間が延長
    5. 「フラット35」の金利優遇
    6. どの条件に合うのか確認が重要!
  7. 長期優良住宅の認定を受けるには?
    1. 注文住宅の場合
    2. 建売住宅の場合
    3. 申請の取り消しも可能
    4. 長期優良住宅は必ず申請しなければならないわけではない
  8. まとめ

「長く安全に暮らせる」と認定される「長期優良住宅」とは?

長く安心して暮らせる高耐久の住宅を希望する場合は、長期優良住宅の購入がおすすめです。しかし、予備知識がない場合、何をもって長期優良住宅と認定されるのかわからない方がほとんどでしょう。

以下では、長期優良住宅とはどのような家なのか、また長期優良住宅と混同されやすいZEH住宅との違いについて解説します。

長期優良住宅の定義

長期優良住宅とは、長期間にわたって良好に使用するための対策が講じられた住宅のことを指します。より端的に説明すると、長く快適な住宅環境や住宅性能を維持し続けるために工夫された住宅です。

新築住宅の認定は2009年6月4日から開始され、既存住宅を増改築する場合の認定は2016年4月1日から、そして増改築しない場合の認定は2022年10月1日から開始しています。

ZEH住宅との違い

長期優良住宅について学ぶにあたって、ZEH住宅との違いを知っておく必要があります。ZEH住宅とはNet Zero Energy Houseの略語で、太陽光発電による電気総出や省エネルギー設備の導入などによって、生活で消費するエネルギーより生み出すエネルギーが上回ることを目指した住宅です。

ZEH住宅を建築するメリットとして、光熱費の削減や災害時に非常電力を蓄えられるなどが挙げられます。簡単に言うとエネルギーの自給自足を目指す住宅ということです。
両者は建築目的以外にも、認定基準が異なります。ZEH住宅の場合、省エネ、断熱、そして創エネの3点が認定のポイントです。しかし、長期優良住宅の場合は断熱を含む省エネが認定ポイントに含まれていますが、創エネ設備はとくに必要ありません。

長期優良住宅の認定基準

長期優良住宅として認定してもらうためには、認定条件を満たしたうえで建築予定地の所轄行政庁へ申請を行う必要があります。

戸建てにおける具体的な長期優良住宅の認定条件は、以下のとおりです。

● 劣化対策:劣化対策等級3の基準をクリアし、構造種別ごとに設けられた基準にも適合していること
● 耐震性:耐震等級3であること
● 維持管理・更新の容易性:維持管理対策等級(専用配管)等級3であること
● 省エネルギー対策:断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6以上であること
● 居住環境:地区計画や景観計画、条例によるまちなみ等の計画、建築協定、景観協定などの区域内にある場合は、これらの内容と調和を図ること
● 住戸面積:床面積の合計が75平方メートル以上で、少なくとも1階が階段部分を除いて40平方メートル以上あること
● 維持保全計画:定期点検や修繕、補修に関する計画が作成されていること

長期優良住宅を建てると後悔する?6つの理由

長期優良住宅は、長く安全で快適な暮らしを求める方にとって、有力な選択肢といえます。しかし、一般的な住宅とは異なる点も多いため、事前に違いをしっかりと理解しておかなければ、予期せぬ後悔につながる可能性があるでしょう。

以下では、長期優良住宅を建てるにあたり、あらかじめ知っておきたいポイントを詳しく解説します。

①建築スケジュールが長くなる

後悔しやすいポイントとして、建築スケジュールが長くなりやすい点が挙げられます。長期優良住宅を建築する際は、まず登録住宅性能評価機関の確認と、所轄行政庁の審査が必要です。これらの申請は、必ず着工までに行わなくてはなりません。

必要書類の準備から申請、結果通知までは数週間ほどかかり、審査を通過しない限り工事を始めることはできません。もし希望している具体的な入居時期がある場合、審査期間が原因で入居タイミングがズレてしまう可能性があります。

また、同じタイミングで資材の納品の遅れや設計ミスへの対応などが発生すると、さらに入居時期はズレ込んでしまうでしょう。長期優良住宅を建築する場合は、着工までに時間がかかる可能性を考慮して、ある程度余裕のあるスケジュールを組む必要があります。

②申請費用がかかる

申請費用がかかる点も、長期優良住宅を建てるにあたって後悔しやすいポイントのひとつです。長期優良住宅の認定を受けるにあたって、審査を通過する必要がありますが、審査を受けるためにはお金がかかります。

どの程度費用がかかるかは管轄の行政庁によって異なりますが、5〜6万円程度が相場です。なお、申請の方法がわからない、申請する時間が確保できない方はハウスメーカーや工務店に代行を依頼することもできますが、その場合は手数料を含めて10〜30万円ほどかかります。

このように、申請費用は金額の変動の幅が広いため、長期優良住宅を建てる際に必要な建築コストにだけ気を回していると、全体の予算をオーバーしてしまう可能性も否定できません。もし詳しい申請費用を知りたい場合は、依頼先の施工業者に聞く、所轄行政庁の公式サイトで調べるなどしましょう。

③基準を満たすために設計が制限される

長期優良住宅を建てる場合は、設計が制限される点も考慮しておきましょう。新しく家を建てるにあたって、設計にこだわりたいと考える方は少なくありません。

設計にこだわるメリットとして、家に対して愛着を持ちやすい、自身の生活スタイルに特化した間取りや設備を導入できるなどが挙げられます。しかし、長期優良住宅の場合、認定の基準を満たすために設計に制限が設けられる可能性が高いです。

とくに耐震等級3を満たすためには、壁や柱をバランスよく配置する必要があります。そのため、間取りに壁や柱がない空間を取り入れたいと考えている場合、工法によっては実現は困難を極めるでしょう。

また、長期優良住宅には、点検口の設置義務があります。点検口とは、天井裏や壁内などの配管や配線の点検、および構造体の確認をする際に用いられる開口部のことです。

残念ながら点検口は自分の好きな場所に配置できるものではないため、点検口の見た目が気になってしまう方も一定数います。

④定期点検やメンテナンスが必要になる

長期優良住宅は、定期点検やメンテナンスを行わなければなりません。定期点検の頻度は30年間にわたり、10年以内の間隔で実施すると決められています。

当然ですが、定期点検やメンテナンスを行うためにはお金が必要です。依頼する業者によって金額は変動しますが、費用相場は5万円程度になります。

もし定期点検で問題が見つかった場合、問題を解決するために追加費用を支払わなければなりません。さらに、定期点検やメンテナンスの内容は必ず記録、保存すると決められており、手間も時間もかかります。これらの要因から、長期優良住宅の建築を後悔している方も多いです。

なお、なかには時間とお金を惜しんで定期点検やメンテナンスを行わない方もいますが、定期点検やメンテナンスを実施しなかった場合、認定を行った所轄行政庁から改善を求められます。それでも定期点検やメンテナンスを行わなければ、認定の取り消しや罰金の支払いなどの厳しい措置をとられるため、必ず定期点検とメンテナンスは実施しましょう。

⑤増改築やリフォームのたびに許可が必要になる

長期優良住宅で後悔しがちなポイントとして、増改築やリフォームのたびに許可が必要な点が挙げられます。すでに説明しているように、長期優良住宅として認定されるためには、耐震性を含めさまざまな認定基準をクリアしなければなりません。

そのため、増改築やリフォームをしたい場合は、改めて長期優良住宅の認定申請を行う必要があります。もし将来的にライフステージの変化に合わせて、既存の住宅の間取りや設備を変更する予定がある、または可能性がある場合は、今一度長期優良住宅を建てるかよく考えた方がよいでしょう。

なお、軽微な増改築やリフォームであれば、とくに許可を受けずに工事を進められることもあります。

⑥工事途中の計画変更に手間がかかる

工事途中の計画変更が困難な点も、長期優良住宅の後悔しやすいポイントのひとつです。長期優良住宅の工事は、施工計画の審査を受け、許可が出てからようやく始められます。

しかし、工事が始まってから計画を変更する場合、改めて施工計画を作成し、再度審査を受けなければなりません。そして、施工計画の作成をする際は省エネ性の計算や各種資料を準備するために、追加費用も必要になります。

そのため、工事の計画変更を柔軟に変更したい方には、長期優良住宅は向かないかもしれません。なお、工事の計画を変更したにもかかわらず、再度計画の審査の届出を行わなかった場合、長期優良住宅の認定を取り消される可能性があります。

それでも長期優良住宅を建てたい!6つの魅力

長期優良住宅を実現するために乗り越えなければならないハードルは、決して低くありません。しかし、長期優良住宅には、そのハードルをクリアするだけの価値が間違いなく存在します。

具体的にどのような魅力があるのか、以下で詳しく解説するため順番にチェックしていきましょう。

①資産価値が高く売却時に有利

長期優良住宅を建てるメリットとして、資産価値の高さが挙げられます。マイホームを購入する方のなかには、将来的に売却することを想定している方も一定数いるでしょう。

住宅の売却価格は築年数の経過とともに低下するのが一般的で、とくに雨漏りをはじめとする物理的瑕疵が発生した場合、買い手を見つけること自体が困難になります。長期優良住宅は定期的なメンテナンスの実施が義務付けられており、物理的な瑕疵が発生しているケースはほとんどありません。

また、各種耐震性や断熱性が保証されており、需要が高いです。これらの要因から、多少築年数が経過した程度で、資産価値が極端に落ちることはありません。

ただし、あくまで資産価値が落ちにくいだけで、確実に高値で売却が成立するとは限らない点に注意してください。

②税控除の対象になる

税控除の対象になる点も、長期優良住宅を建てるメリットです。家を購入するにあたって、以下のようにさまざまな税がかかります。

● 消費税
● 登録免許税
● 印紙税
● 不動産取得税
● 固定資産税
● 都市計画税

このなかでも、固定資産税と都市計画税は毎年支払う必要があるため、経済的な負担になりやすいです。しかし、長期優良住宅であれば、1〜5年まで固定資産税が2分の1になる特例措置が適用されます。

一般的な住宅でも固定資産税の特例措置は適用できますが、こちらは減税期間は1〜3年までです。なお、長期優良住宅の税制優遇を受けるためには、居住開始日が2024年1月1日〜2025年12月31日であることが条件として設けられています。

入居開始日以外の条件も細かく決められており、今後条件が変更される可能性もあるため、定期的に国土交通省の公式サイトで最新情報をチェックするようにしてください。

③住宅ローン金利の優遇を受けられる

住宅ローン金利の優遇を受けられる点も、長期優良住宅のメリットのひとつです。住宅を購入するにあたって、ほとんどの方は住宅ローンを利用するでしょう。

住宅ローンとは、読んで字のごとく住宅取得専用のローンのことです。新居を取得するときのみならず、リフォームや既存の住宅ローンを別の住宅ローンに借り換えるときにも使用できます。

住宅ローンを返済する際は、借りたお金と一緒に利子も含めて返さなければなりません。住宅ローンの金利は商品によってさまざまですが、できるだけ安い金利の住宅ローンを利用したいと考える方は少なくないでしょう。

そんなときにおすすめなのが、長期優良住宅を対象とした商品です。たとえば、フラット35Sプランは契約から5年間、最低でも年利を0.25%引き下げられます。

住宅ローン金利の優遇を受けられる商品を選択すれば、家計への負担を軽減できるでしょう。

④地震保険料がお得になる

長期優良住宅を購入すると、地震保険料もお得になります。地震保険とは、通常の火災保険では補償されない地震や噴火、津波を原因とする火災や損壊、埋没などによる損害を補償する保険です。

火災保険とセットで加入する保険のため、地震保険単体で加入することはできません。そんな地震保険は免震建築物割引、または耐震等級割引が適用されることで、保険料の負担を軽減できます。

具体的な割引の割合は、以下の表のとおりです。

 割引内容保険料
免震建築物割引50%引き
耐震等級割引(耐震等級3)50%引き
耐震等級割引(耐震等級2)30%引き
耐震等級割引(耐震等級1)10%引き


長期優良住宅の場合、耐震等級3であることが認定の条件のため、50%割引が適用されます。

⑤補助金を利用できる可能性が広がる

長期優良住宅を購入することで、補助金を利用できる可能性が広がります。昨今はさまざまな住宅の補助金が登場していますが、長期優良住宅の場合は地域型住宅グリーン事業の利用が可能です。

地域型住宅グリーン事業とは、2015年から始まった、省エネルギー性能や耐久性などに優れた木造住宅の整備をはじめとする支援事業のことです。条件を満たせば、最大140万円の補助金が支給されます。

ただし、補助金制度は突然打ち切られるケースもあるため、利用できるか事前に調べておきましょう。地域型住宅グリーン事業の情報は、国土交通省の公式サイトで確認できます。

また、補助金制度のなかには、併用できるものと併用できないものがあります。併用した方が建築費用を抑えられるのか、それとも単体の補助金制度を利用した方が安くなるのか、事前に試算を行ってから補助金制度を併用するかどうかを決定しましょう。

⑥家が長持ちする

住宅の内装や外装、住宅設備などの経年劣化が進むと、住宅の寿命が縮みます。住宅の寿命が短くなると、長く暮らせなくなるだけでなく、災害が発生した際に建物が倒壊しやすくなるなど、さまざまなリスクが高まりかねません。

長期優良住宅は、国から長く暮らせると認定された家であり、建物試合の寿命が長く、災害にも強いです。

維持保全計画に沿ってメンテナンスを実施すれば、設備に問題が発生してもすぐに対応できます。家に愛着を持ちながら長く暮らしたい場合は、長期優良住宅がおすすめです。

長期優良住宅で後悔しないための6つのポイント

長期優良住宅は、後悔する可能性もありますが、税制優遇や地震保険の割引などのメリットが多いのも事実です。もし長期優良住宅の建築を検討しているものの、後悔しないか不安を抱えている場合は、以下のポイントを押さえるようにしましょう。

①維持管理ができるか考える

長期優良住宅を建てる前に、維持管理を実施できるかよく考えましょう。すでに説明はしていますが、長期優良住宅は定期的に点検とメンテナンスを実施することが義務付けられています。

しかも、ただ点検とメンテナンスを実施するだけでなく、点検とメンテナンスを実施した際は記録を作成し保管、必要に応じて管轄の行政庁に報告しなければなりません。これらの作業が面倒だからといって、万が一点検やメンテナンスを怠ると、長期優良住宅の認定を取り消されてしまいます。

そのため、時間も手間もかかる点検とメンテナンスを定期的に自分が実施できるのか、よく考えてから長期優良住宅を建築するか決めましょう。

なお、ハウスメーカーのなかには、新築時のデータや点検履歴を蓄積し、適切なタイミングでメンテナンスを提案してくれる企業もあります。そうした体制が整ったハウスメーカーを選ぶのも、維持管理を効率よく行うひとつの方法です。

②確定申告の際に必ず税金の控除申請をする

確定申告の際は、必ず税金の控除申請をしましょう。長期優良住宅の各種税控除を利用するためには、確定申告を行わなければなりません。

確定申告をする際は、以下の書類を用意してください。

● 長期優良住宅建築等計画の認定通知書
● 住宅家屋証明書または認定長期優良住宅建築証明書
● 登記事項証明書
● 売買契約書または工事請負契約書
● 源泉徴収書
● 残高証明書
● 確定申告書
● 本人確認書類
● 認定住宅新築等特別税額控除の計算明細書

確定申告を行うと、所得税の控除額が約1か月後に指定の口座に振り込まれます。所得税だけで控除額が補えない場合は、住民税からも控除を受けることが可能です。

住民税の場合は、控除額は指定の口座に振り込まれず、6月以降に給料から控除されたあとの住民税が引かれます。なお、確定申告書類の提出方法は郵送や窓口、e-Taxなど複数あるため、自分に合った方法を選択しましょう。

③実績のある施工業者に依頼する

長期優良住宅の建築は、必ず実績が豊富な施工会社に依頼しましょう。現在はさまざまなハウスメーカーや工務店が登場し、家づくりを行っていますが、それぞれ得意分野も過去の実績も異なっています。

長期優良住宅は認定基準が細かく決まっているため、実績のない業者の場合、自社では対応できないと判断し、依頼自体を断られる可能性が高いです。また、運よく依頼を受けてもらえたとしても、技術力が足りずに認定基準を満たすだけの家が完成しないケースも考えられます。

確実に認定基準を満たす家を建てたい場合は、実績が豊富な業者に依頼しましょう。なお、業者選びの際は、複数の業者をピックアップし、それぞれの費用や実績を比較しましょう。

そのなかに耐震構造や省エネルギー、ユニバーサルデザインなどの技術が高い業者があれば、安心して作業を依頼できます。

④万が一違反した際の罰則や規定を知っておく

長期優良住宅にはさまざまな規定が存在しており、違反した場合、さまざまなペナルティを課されます。たとえば、所轄行政庁の維持保全の状況調査に対して協力を渋る、または虚偽の報告をした場合、30万円以下の罰金に科されるため注意してください。

引用元:国土交通省 長期優良住宅の普及の促進に関する法律(平成二十年法律第八十七号) 第六章 罰則(https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000087/)

また、調査の結果、基準を満たしていない部分が見つかると、認定を取り消されるだけでなく、補助金やこれまで受けていた税控除分の金額を国へ返還しなければなりません。ルールを知らずに不利益を被らないためにも、守るべきルールは家を建築する前に一通り確認しておきましょう。

もしルールをチェックして、守るのが難しいと感じた場合は、長期優良住宅の建築は一旦保留にした方がよいかもしれません。

⑤長期優良住宅「相当」にならないよう認定を受ける

長期優良住宅の認定を公式に受けていない場合、その住宅の評価は長期優良住宅「相当」の住宅となります。つまり、性能的には遜色ないものの、本当の意味での長期優良住宅とは認められません。

評価が「相当」で落ち着いてしまうと、補助金をはじめとする優遇措置が受けられなくなります。優遇措置の適用を考えている場合は、必ず管轄の行政庁に申請届を出して、正式な認定を受けてください。

なお、フラット35Sのように、長期優良住宅「相当」の住宅でも優遇措置が受けられるケースもあります。長期優良住宅にこだわりはないものの、優遇措置には興味がある方は、ぜひ調べてみてください。

⑥建築から維持までにかかるコストと税制面での優遇を比較する

税制の優遇に対し、建築と維持にかかる費用が見合っているかも必ず確認してください。長期優良住宅には、税の優遇措置や補助金など、費用面でさまざまなメリットがあることをすでに紹介していますが、必ずしも制度を利用する全員がそのメリットを享受できるわけではありません。

たとえば、住宅ローン減税制度の控除対象額は、借入額や所得によって控除額の上限が変化します。もし借入額が多く、かつ所得が少ないと、控除額の上限まで控除を受けられないため、本当の意味で税制面の優遇を受けられません。

長期優良住宅の建築を始める前に、改めてコストと税制面の優遇について考えてみましょう。複雑に感じる場合は、ファイナンシャルプランナーをはじめとする専門家に相談するのがおすすめです。

長期優良住宅で受けられる税制優遇とは?

長期優良住宅のメリットのひとつとして、税制優遇があることが挙げられます。しかし、どの程度優遇されるのか、具体的な金額まで把握している方は少ないでしょう。

以下では、長期優良住宅によって受けられる税制優遇について解説します。なお、税制優遇措置は受け付けを停止する、または制度そのものを廃止するケースもあるため、最新情報を常にチェックしましょう。

所得税の特別控除がある

長期優良住宅によって受けられる税制優遇のひとつが、所得税の特別控除です。所得税とは、給与など所得にかかる税金のことで、日本国内に住所がある方、そして1年以上居所を有している方は、国内外で得たすべての所得に対して課税されます。

長期優良住宅を取得した後、いくつかの条件を満たせば、長期優良住宅の基準を満たすためにかかった追加費用の10%が、基本的にその年の所得税から差し引かれる仕組みです。

登録免許税が軽減される

登録免許税とは、登記手続きの際に国に納める税金のことです。税額は、土地や建物の評価額や固定資産税評価額に税率をかけて計算します。

長期優良住宅を取得した場合、所有権保存登記の税率が1.5%から1%に、所有権移転登記の税率が0.3%から0.2%に引き下げられます。(戸建ての場合)

不動産取得税がお得に

長期優良住宅の取得によって、不動産取得税もお得になります。不動産取得税とは地方税の一種で、土地や家屋をはじめとする不動産を取得した場合にかかる税金のことです。

税額は不動産の評価額に税率をかけて算出しますが、長期優良住宅を取得した場合、課税標準からの控除額を、一般住宅特例の1,200万円から1,300万円に増額する優遇措置を受けられます。

固定資産税の軽減期間が延長

固定資産税とは、毎年1月1日時点で住宅やマンションなどの固定資産を所有する方が納める税金のことです。原則として、年4回の納期ごとに分割して納付する仕組みになっています。なお、納付先は住まいの自治体です。

長期優良住宅を取得すると、固定資産税が半額になる軽減期間が、一般住宅では3年のところ、5年に延長されます。

「フラット35」の金利優遇

フラット35とは住宅ローンの1種で、返済期間は最長35年、融資限度額は8,000万です。金利の変動がなく、返済計画を立てやすいことが特徴で、とくに⾼性能住宅は⾦利の優遇幅が⼤きいというメリットがあります。

どの条件に合うのか確認が重要!

税制優遇が受けられれば、経済的な負担を軽減できます。ただし、税制優遇にはそれぞれ利用条件が設けられているほか、借入金や収入が原因となり、上限額まで控除を受けられないケースも少なくありません。

どの程度優遇してもらえるのか、制度を利用する前に改めて試算を行うようにしましょう。

長期優良住宅の認定を受けるには?

最後に、長期優良住宅の認定を受けるために必要な手続きについて解説します。申請にかかる手数料や用意する資料なども取り上げるため、ぜひ参考にしてください。

注文住宅の場合

まずは、注文住宅を取得した場合の申請手順について解説します。具体的な申請手順は、以下のとおりです。

1. 請負契約を結ぶ
2. 長期優良住宅建築計画等を策定し、申請用の書類を用意する
3. 登録住宅性能評価機関へ、長期使用構造等確認を申請する
4. 登録住宅性能評価機関より長期使用構造等である旨の確認書、設計住宅性能評価書の交付を受ける
5. 必要書類を添えて所管行政庁へと認定申請を行う
6. 所管行政庁から認定通知書が交付される

また、申請の際は、以下の書類を用意してください。

● 認定申請書(第一面・第二面・第四面)
● 設計内容説明書
● 各種図面・計算書
● 長期使用構造等である旨の確認書、もしくは設計住宅性能評価書

群馬県高崎市の場合、認定のみを依頼する際にかかる手数料は18,000円です。手数料は、同じ県内でも申請する自治体によって異なるため、必ず事前に調べておきましょう。

建売住宅の場合

建売住宅の場合、注文住宅とはやや申請の手順が異なります。具体的な申請手順は、以下のとおりです。

1. 購入する建売住宅を選定する
2. 長期優良住宅建築計画等の作成~認定通知書の交付、建築工事完了まで終えていることを確認する
3. 分譲事業者と売買契約を結び、譲受人を決定する
4. 必要書類を添えて所管行政庁へと地位承継の承認申請を行う
5. 所管行政庁から承認通知書が交付されることで、認定通知書の名義が住宅の購入者に変更される

申請の際は、以下の書類を用意しましょう。

● 承認申請書
● 住宅購入を証明できる書類(売買契約書など)

申請の取り消しも可能

長期優良住宅の申請は、あとから取り消すことも可能です。取り消す際は、都道府県または市区町村に対して、維持保全計画を取りやめる旨の申出書を提出してください。

群馬県の場合、群馬県の公式サイトから認定の取りやめ届がダウンロードできます。

長期優良住宅は必ず申請しなければならないわけではない

ここまで長期優良住宅の認定を受けるための手続きの流れや、必要書類などについて取り上げてきましたが、長期優良住宅の認定は必ず申請しなければならないものではありません。認定がなくてもしっかりメンテナンスを行えば、長く暮らせる家を実現することは可能です。

もちろん、認定を受けることで得られるメリットも少なくありません。迷っている場合は本当に自分が認定を必要としているのか、改めて考えてみましょう。

まとめ

長期優良住宅を建てる際に後悔する理由として、スケジュールの長さ、定期的なメンテナンスの手間、申請にかかる費用などが挙げられます。後悔を避けるためには、罰則や規定をしっかり理解し、信頼できる実績のある施工業者に依頼することなどが大切です。解説したポイントを押さえることで、安心して理想の住まいを実現できます。

群馬セキスイハイムは、長期優良住宅の建築経験が豊富で、申請や審査がスムーズです。また、建物の仕様に合わせた「メンテナンスプログラム」に基づき、必要に応じたメンテナンスを実施し、住まいの価値を保ち続けます。

長く安心して暮らせる快適な住まいをご希望の方は、ぜひ群馬セキスイハイムにご相談ください。

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