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平屋のメリットとは?平屋の長所を活かした家づくりのコツも紹介

平屋とは、読んで字のごとく1階建ての住まいで、生活に必要な設備がすべて1階に集約されています。2階建てのように階段の上り下りがないため、将来的にも暮らしやすい点がメリットです。一方、プライバシーの確保や防犯対策が求められる点はデメリットとして挙げられます。
この記事では、平屋のメリット・デメリットについて解説します。2階建ての違いや構造をうまく活かすためのコツなども解説しますので、参考にしてください。
- 目次
平屋のメリット
平屋のメリットは、以下のとおりです。
● 生活動線がコンパクト
● 家族のコミュニケーションが取りやすい
● 階段がなくバリアフリーで安全
● 構造が安定し耐震性が高い
それぞれのメリットについて解説します。
生活動線がコンパクト
平屋には、生活動線が効率的で無駄が少ないというメリットがあります。1階部分ですべての機能が備わっているため、住む人の移動が平面的に済み、階段の上り下りといった負担がありません。
一方で、2階建てでは上下移動が必要となります。洗濯物を持って階段を行き来したり、寝室からトイレへの移動で時間がかかったりするなど、動作に余分な時間がかかる場合もあります。
平屋では、間取り設計の段階で部屋間の距離や水回りの位置を工夫すれば、さらに動線の効率を向上させることが可能です。また、家族が集まる場所や日常よく使う設備を近接させると、忙しい朝や家事の合間にもスムーズに行動できます。
このように、動線を少し工夫するだけで移動のストレスを軽減し、日々の生活を快適に過ごせる点は平屋のメリットといえます。
家族のコミュニケーションが取りやすい
平屋は空間がひとつのフロアに集約されるため、家族が顔を合わせる機会が自然と多くなります。部屋間の距離が短く、廊下も少ない設計になりやすいことから、日常的に家族の気配を感じながら生活できる点が魅力です。
たとえば、リビングを通って各部屋に行くレイアウトにすれば、子どもが成長しても家族全員が集まりやすい環境を整えられるでしょう。
また、子どもが小さい時期には、親の目が届く範囲で遊ばせることも可能です。階段を使用しない生活は、安全性の面でも安心できます。
家族全員が適度な距離感で暮らせる平屋は、とくに家族間の交流を大切にしたい方にとって、理想的な住まいとなるでしょう。
階段がなくバリアフリーで安全
平屋は階段を設ける必要がないため、段差の少ない設計が可能です。とくに、小さな子どもや高齢者がいる家庭にとって、安心して暮らせる環境を整えられるメリットがあります。階段がなければ、転倒や転落といった家庭内で発生し得る事故を未然に防ぐことが可能です。
実際に、将来の生活を見越して平屋を選ぶ人が増えています。若い世代でも、通路幅を広げたり、段差を極力なくした設計に取り入れたりすると、加齢に伴う足腰の負担が軽減されるため、車椅子を使用する場面でも快適な移動が可能です。
このように、平屋の設計には、年齢を問わず安全で使いやすい空間を確保するための工夫が反映されやすい特長があります。安全性と利便性を兼ね備えた平屋は、誰にとっても安心して暮らせる住まいの形といえるでしょう。
構造が安定し耐震性が高い
平屋住宅は、低重心の構造から地震や台風といった自然災害に対して高い耐久性を持っているのもメリットのひとつです。地震が多い日本において、耐震性は家選びの重要なポイントです。
建物が高くなるほど揺れの影響を受けやすくなるため、平屋は震動に対する安定性で優位性を持っているといえます。平屋では、2階建てのように上階部分の荷重がないため、構造自体が軽量化され、耐震設計を柔軟に取り入れられます。
また、平屋は建物が低い分、台風等の強風による被害も受けにくく、風圧の影響を軽減できる点も魅力です。沖縄地方で広く採用されている寄棟づくりの平屋は、風対策としても優れた設計例といえます。
こうした特徴から、平屋は耐震性と耐風性を兼ね備えた安全性の高い住まいとして注目されています。
平屋のデメリット
一方で、以下5つのようなデメリットも存在します。
● 広い敷地が必要になる
● 建築コストが高くなりやすい
● 間取り次第では日当たりや風通しに影響する
● プライバシーや防犯面での配慮が必要になる
● 水害のリスクが高い
それぞれのデメリットについて解説します。
広い敷地が必要になる
平屋住宅を計画する際には、一般的に広い敷地が求められます。延床面積が同じ2階建てと比較すると単純に2倍の敷地面積が必要になるため、とくに都市部では土地の確保が課題となりやすいです。
また、敷地面積が十分でも、建ぺい率による制約があります。建ぺい率は、敷地面積に対し建築できる建築面積の割合を指します。したがって、土地のすべてを建築に使用できるわけではありません。
たとえば、延床面積が30坪の家を建てる場合、土地自体は30坪以上の広さが必要です。平屋を建築するには土地の広さだけでなく、形状や法規制も十分に考慮した計画が必要です。
建築コストが高くなりやすい
平屋住宅は、同じ延床面積の2階建てと比較すると、建築費用が高額になる傾向にあります。主な要因は、基礎工事と屋根工事にかかるコストの増加です。
平屋では建物全体が1階部分に広がるため、基礎や屋根の面積が増加し、それに伴い必要な資材や施工の手間も増えます。こうした構造的な特性が、平屋の建築費用を押し上げる一因となっています。
間取り次第では日当たりや風通しに影響する
平屋の設計では、間取りが日当たりや風通しに影響を及ぼします。とくに、部屋数が多い場合、中央に位置する部屋が暗くなったり、空気の流れが滞ったりするケースが考えられるでしょう。
このような問題を解消するためには、中庭を活用したコの字型やL字型の設計、あるいは天窓の設置が効果的です。これにより、自然光が建物内に届きやすくなると同時に、開放的な空間も確保できます。
また、周囲に2階建てが多いエリアでは、平屋が低層であることから影響を受けやすくなります。日当たりや通風が制限される可能性があるため、注意が必要です。
平屋では、広い屋根面を利用して太陽光パネルを設置する家庭も多いです。しかし、設置位置や角度を考慮しないと発電効率が下がるだけでなく、反射光による近隣トラブルを引き起こす場合があります。土地の条件や設計方針を十分に検討し、専門家と相談しながら計画を進めましょう。
プライバシーや防犯面での配慮が必要になる
すべての居住スペースが地上に配置されているため、外部からの視線が室内に届きやすい点にも注意しなければなりません。そのため、プライバシーを守るための工夫が求められます。
たとえば、リビングを道路側から離れた位置に配置する、塀や植栽を活用して目隠しを設けるといった対策が有効です。窓の設置場所や高さにも配慮すれば、外からの視線を遮りながら快適な住環境を実現できるでしょう。
また、防犯対策も重要な課題となります。外部の侵入を防ぐためには、防犯カメラや人感センサー付きライトを設置するのが効果的です。
また、踏むと音が出る砂利を敷くのも、不審者の行動を抑止するうえで有効です。こうした対策は、とくに夜間や留守中の安全性を高めるうえで役立ちます。
平屋特有の住みやすさを享受しながら安心して暮らすためには、プライバシー確保と防犯対策を念入りに計画することが大切です。設計段階でこれらの要素を組み込めば、より安全で快適に暮らせます。
水害のリスクが高い
平屋は構造上、豪雨や河川の氾濫による浸水被害に対して弱点があるといえます。たとえば、床上浸水が発生した場合、建物全体が水浸しになる可能性が高いです。加えて、2階建てのように上階へ避難する選択肢がないため、被害を受けやすくなります。
また、浸水が発生した場合、居住空間すべてが影響を受けてしまいます。復旧作業に多くの時間とお金がかかることが懸念されるでしょう。
こうした理由から、水害が懸念されるエリアでは平屋の建築を慎重に検討する必要があります。平屋で安全な住まいを実現するためには、地域の特性や防災計画を踏まえた慎重な立地選びが欠かせません。
平屋と2階建ての違い
平屋と2階建ての間には、主に以下5つのポイントに違いがあります。
● 建築時・建築後の費用
● 土地の条件
● 暮らしやすさ
● 安全面
● 家族構成・世代に対する住みやすさ
それぞれの違いについて解説します。
建築時・建築後の費用
平屋と2階建ての住宅では、建築や維持にかかる費用に違いがあります。建築時の費用に関しては、平屋の方が基礎と屋根の面積が広いため、使用する資材が多くなる傾向にあります。
したがって、同じ延床面積の2階建て住宅に比べて、平屋は坪単価が高くなる可能性があります。一方で、2階建てでは外壁の高さが増すことから、外壁の施工費用が平屋より高くなる場合もあります。
建築後の維持費用では、固定資産税やメンテナンス費用が重要なポイントです。固定資産税は建物の評価額に基づいて決定されるため、基礎や屋根が広い平屋は評価額が高くなる可能性があります。
メンテナンスでは、2階建ての外壁や屋根の修繕の場合、足場の設置が必要となるため平屋よりも費用が高くなるケースが一般的です。
土地の条件
平屋を建築する際には、広い土地が必要となることが大きな課題となります。とくに、住宅が密集する地域では、平屋用の広い土地を確保するのが困難な場合もあるでしょう。
さらに、平屋では周囲の環境が家の快適性に影響を与える可能性があります。風通しや採光の確保が難しい場合、窓の配置や中庭を設けるといった設計の工夫が必要です。
しかし、場合によってはこうした工夫を取り入れたとしても、周辺の土地状況の影響で問題を完全に解決するのが困難な場合も考えられます。土地選びの段階からロケーションや環境に注目し、平屋の特性を最大限に活かせる設計を目指すことが大切です。
暮らしやすさ
平屋と2階建ての住宅には、それぞれ暮らしやすさの特徴があります。それぞれの特徴を理解し、自分たちの生活スタイルに合った住まいを選ぶことが重要です。
平屋の利点は上下移動が必要なく、効率的な動線が確保できる点です。たとえば、家事動線を短く設計することで、作業負担を軽減できます。ただし、平屋は余剰スペースが確保しづらい場合があり、家族の動きが重なる忙しい時間帯には不便を感じる場合もあります。
2階建ての住宅は、限られた土地でも延床面積を確保しやすいので、家族の人数が多く、それぞれの個室を確保したいという場合には、向いています。
安全面
平屋と2階建ての住宅では、安全性に関して異なる特徴があります。
外部からの視線や侵入者の防止という観点では2階建ては上階が存在するため有利です。
一方で、平屋はすべての居住スペースが地上に配置されるため侵入経路が増えます。不審者に狙われやすい傾向にあるため、以下のような対策を講じることが求められます。
● 防犯カメラや人感センサーライトを設置する
● 砂利を敷く
● 窓を強化ガラスに変更する
● 防犯フィルムを活用する
災害時の対応では2階建ての場合、浸水時に上階を避難場所として利用できる利点があります。一方で、平屋は建物全体が低いため構造的に安定しており、地震や台風時の耐久性で優れています。
それぞれの特徴を踏まえ、土地の環境や家族構成に合わせた安全対策を取り入れることが快適で安心な暮らしにつながります。
家族構成・世代に対する住みやすさ
平屋と2階建てにはそれぞれ住みやすさの特徴があります。そのため、家族構成や世代を踏まえたうえで、どちらがよりよいかを考えることがポイントです。
平屋はすべての部屋がワンフロアに配置されているため、家族全体の距離が近くなり、コミュニケーションが生まれやすくなります。小さな子どもや高齢者がいる場合、目が届きやすく安心感を得られる点は住みやすさの魅力といえるでしょう。
一方で、2階建てはプライベートな空間を確保しやすく、生活音や気配の伝わりを最小限に抑えられます。世帯の独立性が求められる2世帯住宅を検討している場合は、とくにおすすめです。
また、世代による暮らし方を考慮することも大切です。2階建ては、思春期の子どもがいる家庭で空間を分けるのに適しています。しかし、高齢者だけの世帯になると、階段の上り下りが負担になる可能性があります。
その点、平屋は段差がなくバリアフリー設計がしやすい点から、全世代にわたって安全な住環境を提供できる利点があるといえます。家庭の生活スタイルや家族の将来的な変化を考慮し、最適な住まいを選ぶことが重要です。
平屋のメリットを活かした家づくりのコツ
以下4つのコツを押さえれば、平屋のメリットを活かした住まいの実現につながります。
● 間取りを工夫する
● 立地を入念に選ぶ
● 現実的な予算計画を立てる
● 平屋のノウハウが豊富なハウスメーカーを選ぶ
それぞれのコツについて解説します。
間取りを工夫する
快適で効率的な動線を実現するためには、間取りの工夫は欠かせません。まずは、家族全員が使いやすい収納スペースを確保しましょう。
たとえば、ウォークインクローゼットやパントリーを取り入れると、物の整理がしやすく、部屋全体をすっきり保ちやすくなります。また、各部屋に小物類を収納できるスペースを設ければ、雑然とした印象を防ぎつつ実用性を高めることが可能です。
採光や風通しを意識した窓の配置も重要です。リビングやキッチンに大きな窓を設けると、明るく開放的な雰囲気が生まれます。
一方で、寝室や浴室といったプライバシーを重視した空間には、目隠しフェンスや壁を活用して外部からの視線を遮る設計が求められます。こうした工夫を取り入れると、家族が安心してくつろげる環境を整えられます。
また、主要スペースの配置を考えることも大切です。たとえば、リビングとキッチンを住まいの中心に配置すれば、家族間のコミュニケーションを促進できるでしょう。
また、オープンスペースを取り入れるのもおすすめです。広がりを感じさせる空間が生まれ、家族が集まりやすくなります。
耐震性と安定性を重視する場合は、広い基礎部分を持つ設計を採用するのも効果的です。これにより建物全体の安定性が高まり、地震にも強い家を実現できます。
平屋は自由度が高いことが魅力です。たとえば、コの字型やロの字型といった機能的な間取りを取り入れることで、家族のライフスタイルや希望に合わせた住まいを作りやすくなります。
このように、収納や採光、プライバシー、耐震性などを考慮しながら間取りを工夫することで、家族が快適に暮らせる平屋を実現することができます。
立地を入念に選ぶ
平屋を建てる際は、土地選びが住まいの快適性を左右する点を理解しておきましょう。平屋の場合は広い敷地が必要なため選択肢が限られる可能性がありますが、理想の住環境を実現するためには妥協を避けたほうが無難です。
土地の面積だけでなく、形状や方位も慎重に検討しましょう。たとえば、細長い形状の敷地では、平屋のメリットである動線の効率性をうまく活かしづらくなります。また、隣接する建物が高いと日当たりが悪化し、室内が暗くなる可能性があります。
加えて、土地の安全性を確認するのも欠かせません。平屋は、1階部分がすべての生活空間となるため、浸水リスクが高いエリアでは不向きです。
ハザードマップを活用して、できるだけ災害リスクが低い土地を選ぶことが求められます。具体的には、浸水想定区域外の土地や高台、水はけのよい地形を選べば、安全性を高められるでしょう。
このように、適切な土地を選ぶためには、周囲の環境などを踏まえて長期的な視点が求められます。時間をかけてじっくり選定することで、快適で安全な住まいづくりが実現できます。
現実的な予算計画を立てる
理想の平屋を実現するためには、現実的な予算計画が欠かせません。まずは、以下の費用について細かく検討しましょう。
● 土地の購入費
● 建築費
● 必要な諸費用
上記のようなコストをひとつずつ確認し、全体の費用を把握することがポイントです。とくに、平屋は基礎面積や屋根面積が広い分、2階建てに比べて建築コストが高くなる傾向にあります。
内装や設備の選択によっても、かかる費用は大きく変動します。何に優先して予算を充てるのかを決めるために、優先順位をあらかじめ考えておくのもポイントのひとつです。
次に、予算内で理想を叶えるための工夫を検討しましょう。たとえば、断熱性能やエネルギー効率を高める設備を導入すると初期投資は増えますが、長期的なランニングコストを軽減する効果が期待できます。
また、予算に見合うハウスメーカーや工務店を選定することも大切です。それぞれ価格帯や提案力が異なるため、気になるところから見積もりを取り、比較・検討してみるとよいでしょう。
しっかりとした資金計画を立てることで、理想の住まいを無理なく手に入れることが可能となります。
平屋のノウハウが豊富なハウスメーカーを選ぶ
平屋の魅力をうまく引き出し、デメリットを解消するためには、平屋の建築経験が豊富なハウスメーカーを選ぶことが重要です。ハウスメーカーごとに、得意分野や建築スタイルは異なります。
平屋住宅に特化した技術や提案力を持つメーカーを選べば、理想の住まいが実現しやすくなるでしょう。そのためには、過去の施工事例や実績を確認し、メーカーの強みをきちんと見極める必要があります。
また、平屋建築ではプランニング能力だけでなく、アフターサポートの充実度も重視すべきポイントです。建築後の住まいを快適に保つための点検やメンテナンス体制が整っているメーカーであれば、長期的に安心して暮らせるでしょう。
まとめ
平屋は階段のないバリアフリー設計や動線の効率性など、幅広い世代にとって暮らしやすいメリットがあります。また、地震や台風といった自然災害にも強い構造が特長で、安全性の高さも魅力のひとつです。
しかし、広い敷地の確保や建築コストが課題となるため、入念な計画と現実的な予算設定が求められます。家族のライフスタイルに合った間取りや採光・通風を考慮した設計の工夫を取り入れると、快適で長く暮らせる住まいを実現できるでしょう。
土地選びでは周辺環境や災害リスクを確認し、将来的な安全性を確保することが欠かせません。加えて、平屋建築の実績が豊富なハウスメーカーに依頼すれば、メリットを最大限に活かした住まいを実現できるでしょう。
群馬セキスイハイムでは、平屋の建築実績が豊富です。県内には平屋の展示場のほか、平屋の分譲住宅も販売しています。お客様のライフスタイルに合った平屋プランをご提案させていただきますので、平屋を検討中の方は、ぜひ群馬セキスイハイムにご相談ください。