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バルコニーとは?ベランダとの違いや取り付けるメリットを解説

バルコニーの設置を検討する際、ベランダやテラスとの違いが気になる人は多いでしょう。名前は聞いたことがあっても、明確な区別や使い分けがわからないといった声は少なくありません。
この記事では、バルコニーとベランダ・テラス・ウッドデッキとの違い、設置するメリットや種類などを紹介します。バルコニーを設置する際の注意点や後悔しないためのポイントまで紹介しますので、理想の家づくりの参考にしてください。
バルコニーとは
バルコニーとは、建物の壁面から外側に突き出した形でつくられる屋外スペースのことです。一般的には、2階以上に設置されます。
屋根やひさしが設けられていない点が特徴で、開放感があり日当たりや風通しに優れています。床面にはある程度の奥行きがある点もポイントです。そのため、人が移動したり、ものを置いたりするのにも適した広さが確保されています。
ここからは、バルコニーとよく混同されやすい以下3つの場所について解説します。
● ベランダ
● テラス
● ウッドデッキ
それぞれ解説します。
ベランダとの違い
ベランダは、建物の上階から外側に突き出して設けられる屋外空間という点ではバルコニーと似ていますが、上部に屋根やひさしがある点で異なります。屋根がある程度の雨を防ぐため、天候に左右されにくく、洗濯物を干すスペースとして重宝されます。
また、日差しをやわらげる効果もあり、日中でも比較的快適に過ごせる点も魅力です。構造上は、建物の2階以上に設けられるケースが多く、広さや形状に応じて使い方もさまざまです。
小規模なスペースであれば物干しや植物の管理に適しており、広めのつくりであれば椅子やテーブルを置いてくつろぐ場所としても活用できます。屋外でありながら、天候の影響を受けづらい空間として多くの人に採用されています。
テラスとの違い
テラスは主に1階に限定される点で、2階以上に設けられるバルコニーとは異なります。テラスとは、建物の1階部分から庭先などに向かって設けられる平らな屋外スペースのことです。
テラスは、地面より少し高い位置に施工されるケースが一般的です。段差を抑えて、室内とスムーズにつながるよう設計されています。
素材にはタイルや石材、コンクリートが使われるなどが多く、見た目に重厚感がある点が特徴です。屋根の有無は建物の設計によって異なり、日除けがない開放的なタイプもあれば、ひさし付きで天候に左右されづらいものも見られます。
洗濯物を干したり、ガーデニングを楽しんだりと日常的な使い方も可能です。一方で、テーブルセットを置いて家族の憩いの場とするなど、暮らしにゆとりを生む空間としても活用されています。
ウッドデッキとの違い
バルコニーが上階に設けられる屋外スペースであるのに対し、ウッドデッキは1階部分で地面とつながった場所に設けられる点が違いといえます。ウッドデッキとは、主にリビングなどの室内から外に向かって設置される木材を使った屋外スペースのことです。
天然木ならではの温もりが魅力で、近年はメンテナンス性に優れた人工木材も広く使われています。構造としては地面の上に直接据え付けられることが一般的で、庭との一体感を生み出しやすいのが特徴です。
子どもの遊び場としても人気があり、テーブルやチェアを置いてリラックスできる場所としても役立ちます。自然を身近に感じられる空間として、幅広い年代に支持されています。
バルコニーを設置するメリット
バルコニーを設置するメリットは、以下の6つです。
● 洗濯物を干せる
● バーベキューやアウトドアを楽しめる
● 家庭菜園やガーデニングを楽しめる
● ゴミを置くためのスペースになる
● 子どもの遊び場になる
● 下の階の雨よけや日よけになる
それぞれのメリットについて解説します。
洗濯物を干せる
バルコニーを設けることで、日当たりと風通しのよい場所で洗濯物を干せるようになります。とくに、スペースにゆとりがあれば洗濯物同士が重ならず、効率よく乾かせるでしょう。
布団やシーツといった大判のアイテムも広げて干せるため、室内干しでは難しいものも快適に対応できます。また、屋外にあることで湿気がこもらず、嫌なにおいの原因を減らす効果も期待できます。
乾燥機に頼らず自然の力で乾かせるため、電気代の節約にもつながる点も魅力です。天気のよい日には短時間で乾き、家事の時短にもつながるでしょう。
バーベキューやアウトドアを楽しめる
バルコニーがあると、自宅にいながら手軽にアウトドア気分を楽しめます。庭を使わずとも、リビングとつながる屋外スペースを活用すれば、食材の運搬や後片付けもスムーズに進み、バーベキューの準備も楽になるでしょう。
天気がよければ、折りたたみ式のテーブルやチェアを並べて、景色を眺めながらティータイムや食事をするなど、心地よい時間を過ごせます。
簡単なレジャーシートを敷くだけでも屋外でくつろげるようになるため、読書やおしゃべりにも最適です。このように、バルコニーは暮らしを豊かにしてくれるでしょう。
家庭菜園やガーデニングを楽しめる
バルコニーは、日当たりと風通しのよさを活かして、植物を育てることも可能です。プランターを並べて花やハーブを育てれば、暮らしに彩りと癒やしをもたらしてくれるでしょう。
スペースを活用すれば、ミニトマトやバジルなどの野菜づくりにも挑戦できます。1階にある庭とは異なり、野良猫の被害や虫の多さに悩まされることも少なく、安心して手入れを続けられる点も魅力です。
室内からすぐにアクセスできるため、水やりなど日々の管理がしやすく、手軽に園芸を楽しめるでしょう。
ゴミを置くためのスペースになる
室内に保管しづらいゴミを一時的に置ける場所としても、バルコニーを活用できます。とくに生ゴミや大型の廃棄物は、においや見た目が気になるため、屋外スペースに置いておけるのは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、そのまま長時間放置しないように注意が必要です。風で飛ばされたり、カラスや猫に荒らされたりする可能性もあるため、フタ付きの収納ボックスなどを使ってしっかりと管理しましょう。
また、しばらく置いたままにすると虫の発生や悪臭の原因にもなります。収集日までの短期間の保管にとどめ、清潔な状態を保つよう心がけることが大切です。使い方次第で、生活で感じやすい不便を解消できるスペースになります。
子どもの遊び場になる
バルコニーは家族だけが使える屋外空間のため、小さなお子さまの遊び場所として活用するのにも適しています。道路に飛び出す心配がなく、知らない人の目にも触れづらいため、安心して遊ばせられるでしょう。
簡易プールを広げれば、自宅にいながらプールを楽しむことも可能です。また、屋根や壁が一部ある設計なら、多少の雨でも影響を受けづらい点もメリットです。
ただし、高い場所にある以上、転落や事故のリスクもゼロではありません。遊ばせる際は目を絶対に離さず、手すりの高さや隙間など安全面にも十分配慮することが大切です。環境を整えることで、安心してのびのびと遊べるスペースになります。
下の階の雨よけや日よけになる
バルコニーを設置することで、下の階の窓や外壁に対して日差しや雨の影響をやわらげる効果を期待できます。直射日光を遮るため、室内の温度上昇を抑えやすくなり、冷房の効率を高められます。
また、急な雨でも窓際が濡れづらくなるため、サッシや網戸の汚れを軽減する点もメリットです。とくに、南向きや西向きの住まいでは、夏場の強い日差しをやさしくコントロールでき、快適な室内環境を保ちやすくなるでしょう。
上階の構造が下階の暮らしをサポートする役割を果たす点も、バルコニーならではの実用性といえるでしょう。
バルコニーの種類
バルコニーには、主に以下の5種類があります。
● ルーフバルコニー
● インナーバルコニー
● 回りバルコニー
● スカイバルコニー
● サービスバルコニー
それぞれの種類について解説します。
ルーフバルコニー
ルーフバルコニーとは、建物の屋根部分や下階の屋上に設けられる広めの屋外スペースのことです。通常のバルコニーとは異なり、建物から張り出す構造ではないため、床下に支えがあり、より大きな面積を確保しやすい特徴があります。
一戸建てでは、1階の屋根部分を活用して設置されるケースが多く、外観をすっきりと見せたい方に好まれています。使い方の自由度が高く、家庭菜園やアウトドアリビングとしても活躍するでしょう。
ただし、2階の居住空間が狭くなる傾向にあるため、間取りとのバランスも考慮する必要があります。
インナーバルコニー
インナーバルコニーは、建物の外側へ張り出す一般的なバルコニーとは異なり、建物の内部に取り込まれるような形で設けられる半屋外スペースです。屋根がある設計が多く、雨の日でも洗濯物を干せる利便性の高さから、共働き家庭を中心に支持されています。
外の景色を楽しめるうえに、外からの視線を遮りやすく、プライバシーを確保しやすい点も魅力です。屋外の開放感と室内の安心感の両方をうまく取り入れた空間として、都会の住宅に多く取り入れられています。
ただし、建物の一部を室外に使う構造上、間取りの自由度が制限される点や施工コストがやや高くなる点には注意が必要です。
回りバルコニー
回りバルコニーは、住戸の角を囲むようにL字型に広がるバルコニーです。一般的な一直線の形とは異なる構造が特徴です。
マンションでは角部屋に限られる場合が多く、設置されている物件はあまり多くはありません。リビングだけでなく、隣接する寝室やキッチンなど複数の部屋が屋外に面するため、室内に取り込む光や風の量が増し、開放感を強く感じられます。
視界も広がることから、外の景色を楽しみやすい点も魅力です。また、動線が増えることで洗濯や掃除など家事の効率が高まります。
外観のアクセントにもなるため、見た目と機能性の両方を重視したい方にとっては、理想的なバルコニーといえるでしょう。
スカイバルコニー
スカイバルコニーとは、一戸建ての屋上部分に設けられる開放的な屋外スペースのことです。広々とした設計が可能なため、家庭用プールを広げたり、友人とバーベキューを楽しんだりと、さまざまな用途で活用できます。
しかし、高所であることから転落のリスクも十分に考慮しなければなりません。とくに、小さなお子さまがいる家庭では手すりを高めに設計したり、安全ネットを設置したりと、十分な安全対策が求められます。
家族の憩いの場として活躍する一方で、設置や管理には慎重な配慮が必要なタイプのバルコニーといえるでしょう。
サービスバルコニー
サービスバルコニーは、主に空調機器の設置やゴミの一時保管など、実用的な用途に特化した小型の屋外スペースです。奥行きは1m以下 とコンパクトで、マンションや集合住宅に多く採用されています。
居住スペースから独立して設けられるケースが多く、生活感の出やすい設備類を目立たせずに配置できるのが利点です。
また、キッチン脇に配置すれば、通風や採光を確保しやすく、空気の入れ替えもスムーズに行えます。限られたスペースを効率よく活用したい人には、とくにおすすめのバルコニーです。
バルコニーを設置する際の注意点
バルコニーを設置する際は、以下5つのポイントに注意しなければなりません。
● ものを落とさないように気をつける
● 踏み台になるものを置かないようにする
● 近隣住民に配慮する
● 強風対策をする
● 防犯対策をする
それぞれの注意点について解説します。
ものを落とさないように気をつける
バルコニーは高所に位置するため、ものを落とすと重大な事故につながるおそれがあります。鉢植えや小型の家具などは、強風で飛ばされたり、手が当たって落下したりする可能性があるため、固定器具や重しを活用して安定させましょう。
フェンスに隙間がある場合は、安全ネットや目隠しパネルを取り付けて、ものがすり抜けないように工夫することもひとつの手です。また、お子さまがいる家庭では、ボールなど投げて遊ぶものを持ち込まない配慮も欠かせません。
落下物は破損にとどまらず、通行人や車両に被害を与える危険性もあります。日頃から整理整頓を心がけ、安心して使える空間を維持しましょう。
踏み台になるものを置かないようにする
バルコニーの安全を保つためには、踏み台になるものを置かない工夫が大切です。とくに、小さなお子さまにとっては、バケツや収納ボックスのような軽くて移動しやすいものが踏み台になり、手すりを乗り越えるリスクがあります。
エアコンの室外機や物置など設置位置が固定されているものでも、上に立って動けるかどうかを事前に確認しましょう。
また、転落防止や目隠しを目的にフェンスに格子やネットを取り付ける際も、足をかけやすくなるデザインは避けたほうが無難です。バルコニーを定期的に見直し、危険につながる配置がないかを確認する習慣をつけましょう。
近隣住民に配慮する
バルコニーは、周囲の住宅との距離が近いため、使い方にはマナーが求められます。音楽を大音量で流したり、夜遅くまで大きな声で会話をしたりすると、想像以上に周囲へ響く可能性があります。
また、生ゴミを放置した際のにおいやバーベキュー時に発生する煙も、近隣の迷惑になる原因です。近隣住民と良好な関係を保つためにも、周囲の生活環境への影響を常に意識しましょう。
強風対策をする
バルコニーは屋外に面しているため、強風や台風の際には注意が必要です。風で飛ばされたものが落下すれば、事故や破損の原因になるおそれがあります。
室内へ移動できないものは、ロープや重りなどを使ってしっかり固定しましょう。吊り下げているプランターは、事前に取り外して地面にまとめて置くと安全です。
また、壁に沿わせる、背の高いものは横倒しにするなど、風の影響を抑える配置を心がけましょう。防塵や目隠しのためにシートをかぶせると風をまともに受けるため、かえって危険です。日頃から飛ばされやすいものの確認と備えをすれば、万が一の被害を抑えられます
防犯対策をする
バルコニーは外部からの侵入経路になるため、防犯対策を怠らないようにしましょう。とくに、隣家との距離が近い住宅や通りから見通しが悪い位置にある住まいは、狙われやすい傾向にあります。
ものが散乱している状態は空き巣に目をつけられやすいため、常に整理整頓を心がけることが大切です。主な対策は次のとおりです。
● 防犯カメラの設置
● 窓に補助鍵を設置
● 防犯フィルムの貼付
標準装備のクレセント錠は簡単に開けられる場合があるため、補助錠で二重にロックする工夫も有効です。こうした設備を整えることで、より安心して暮らせるでしょう。
バルコニーを設置する際のポイント
バルコニーを設置する場合は、施工前に以下5つのポイントについて考えましょう。
● 使い道を明確にする
● 室内からの見栄えを考慮する
● メンテナンス計画を立てる
● 水栓を設置する
● 実物を見学する
それぞれのポイントについて解説します。
使い道を明確にする
バルコニーを設ける際は、どのような目的で使いたいのかをはっきりさせることが大切です。何となく設置すると、活用されないまま物置のようになり、設けたスペースが無駄になりかねません。
用途は1~2個に絞ると空間が散らからず、使いやすさも保てます。用途が決まれば必要な広さや設置場所、設備も定まります。また、電源や手すりの安全設計といった設備面も用途に合わせて計画しましょう。
バルコニーの設置は、日当たりのよい南側の設置が理想的ですが、使い方によっては東西も視野に入れて検討する必要があります。
室内からの見栄えを考慮する
バルコニーを設ける際は、外からの視線だけでなく、室内側からの見え方にも気を配ることが大切です。とくに、敷地に余裕のない住宅では、バルコニーに室外機やゴミ箱を置くケースもあるでしょう。しかし、窓越しに見えてしまうと、生活感が強く出てしまいます。
視界に入る位置や窓の大きさ、設置するアイテムの配置にひと工夫を加えるだけで、すっきりとした印象を保てます。室外機を縦に積む、目隠し用のパネルを設けるといった工夫も有効です。
景観の整った空間は、室内の居心地もよりよくできます。見た目を意識した設計は、生活の質を高めるうえで欠かせない視点といえるでしょう。
メンテナンス計画を立てる
バルコニーは屋外に面しているため、日々の風雨や落ち葉の影響を受けやすく、定期的な清掃が欠かせません。とくに、風が強い季節や樹木が多い環境では、排水口の詰まりや床の汚れが発生しやすくなります。
こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、定期的な掃除スケジュールをあらかじめ組んでおきましょう。たとえば、月に一度の掃除日を決めておけば、汚れがたまる前に対処でき、メンテナンスの手間も減らせます。
景観を保ち、劣化のリスクを下げるためにも、日頃から意識的に手入れを続けましょう。
水栓を設置する
バルコニーに水栓を備えておくと、植物への水やりやアウトドアの後片付けなどの作業がしやすくなります。家庭菜園やガーデニングを楽しむ家庭では、水の使用頻度が高くなるため、水道設備の導入はおすすめです。
ただし、水栓だけを設置するのではなく、排水口もあわせて設けることが重要です。排水がうまく流れず、防水層に水がたまると、ひび割れや雨漏りの原因になりかねません。
また、寒冷地では凍結による破損を防ぐため、温水機能付きの設備を選んでおくと安心です。
実物を見学する
バルコニーを計画する際は、完成後の後悔を防ぐためにも事前に実物を確認しましょう。バルコニーとひとくちにいっても、形状や広さ、位置によって使い勝手は異なります。
見学会に足を運ぶと、自分の暮らしに適したスタイルをより具体的にイメージしやすくなるでしょう。また、動線や日当たり、設置された家具の配置などを実際に目で見て体感すれば、プランニングの参考になります。
Web上の図面や写真だけではわかりづらい細かなポイントも把握できるため、納得のいく計画を立てやすくなるでしょう。
まとめ
バルコニーは、日々の生活に彩りを与えるスペースとして注目されています。洗濯物干しやガーデニングだけでなく、家族の憩いの場やアウトドアリビングとしても活用でき、ライフスタイルに合わせて柔軟に使える点が魅力です。
設置を検討する際には、ベランダやテラス、ウッドデッキとの違いを理解したうえで、自分の暮らしに合った種類や広さ、位置を選ぶことが重要です。また、使い道や安全対策、近隣への配慮といったポイントを事前に押さえれば、設置後の後悔を防げるでしょう。
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