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太陽光発電を住宅に設置するメリット・デメリットを解説

太陽光発電を設置した住宅を検討する際、メリットやデメリットが気になる人は多いでしょう。電気代の削減効果や導入後の暮らしやすさについて、疑問を抱いている人も少なくありません。
この記事では、太陽光発電の概要をはじめ、設置するメリット・デメリットをわかりやすくまとめています。新築時に設置する場合と後付けする場合の違いや、設置時に意識したいポイントについても詳しく解説します。
停電時の備えについても紹介していますので、家族と安心して快適に暮らせる住まいを目指したい方は参考にしてください。
住宅用太陽光発電の基礎知識
基本として、以下の3つについて解説します。
● 太陽光発電とは
● 太陽光発電の仕組み
● 産業用との違い
ひとつずつ見ていきましょう。
太陽光発電とは
太陽光発電は、太陽から得られる光のエネルギーを電気へと変換する発電技術のひとつです。自然界の恵みを活かしたクリーンエネルギーとして注目されています。
方法としては、太陽光を受けた半導体に電子が移動する現象を利用し、電気を生み出すものです。この働きを応用してつくられた太陽電池を複数組み合わせたものを主に住宅の屋根などに設置して使用します。
家庭用太陽光発電は、一般的に発電容量が10kW未満 と 定義されており、主に個人の住宅で使用されることを前提に設計されています。日中に発電した電気は、家庭内で使用するだけでなく、余った分は電力会社に売ることも可能です。
電気代の節約に加えて、収入を得る選択肢も生まれます。従来型の火力発電と異なり、燃料を燃やして二酸化炭素を排出することがないため、環境に対する負荷を抑えられる点も特徴です。持続可能な社会の実現に向けた取り組みとしても、重要な役割を担っています。
今後ますます求められるエネルギー自給自足の生活スタイルに向け、注目すべき選択肢といえるでしょう。
太陽光発電の仕組み
太陽光発電は、半導体の性質を利用して光エネルギーを電気に変換する技術です。ソーラーパネルには、性質の異なるn型半導体とp型半導体が接合された構造が組み込まれており、これが発電の要となります。
太陽の光がpn接合付近に照射されると、光エネルギーにより電子と正孔の対が生成されます。これらは、それぞれn型・p型の領域へと移動し、電位差が発生します。
接続された電極と導線を通じて、外部回路に電流が流れるようになり、この一連の仕組みを「光起電力効果」と呼びます。こうして得られた電気は直流であるため、家庭内で使用するにはパワーコンディショナーで交流へ変換する必要があります。
変換された電力は分電盤を経由して家電製品に供給され、余った電力は電力会社に売ることも可能です。
産業用との違い
家庭用太陽光発電と産業用太陽光発電の違いは、主に発電規模にあります。家庭向けに設置される太陽光発電は、発電容量が10kW未満 であることが一般的です。
一方、発電容量が10kW以上 となるシステムは、産業用と位置付けられます。 主に、事業者や法人が施設や土地に設置して電力供給や売電を目的とするケースが中心です。
住宅用太陽光発電は、家庭で使う電気をまかなったり、余剰電力を売却したりするために設計されています。そのため、規模はコンパクトで、設置場所も住宅の屋根がメインとなります。
産業用は広い土地や大型施設の屋根に設置されるケースが少なくありません。大量の電力を生み出して売電収入を得ることが主な目的のためです。
また、売電契約の内容や税制上の扱いも異なるため、導入に際しての手続きや管理面でも違いが生じます。目的や規模に応じて、適切なタイプを選ぶ必要があるでしょう。
太陽光発電に必要な設備
必要な設備は、以下の7つです。
● 太陽光パネル
● パワーコンディショナー
● 接続箱
● 分電盤
● 売電電力量計
● 発電量モニター
● 蓄電池
それぞれ解説します。
太陽光パネル
太陽光パネルは、太陽光発電システムにおいて電力を生み出す中心的な役割を担う装置です。ソーラーパネルや太陽電池モジュールとも呼ばれ、日光を受けて電気を生み出す仕組みを備えています。
発電効率を高めるため、設置場所には十分な日当たりが確保できる屋根の上に設置されるケースがほとんどです。また、周囲に遮るものがない土地も選ばれやすい傾向にあります。
パネルの設置枚数に応じて発電量は変化し、枚数が増えるほど期待できる発電量は大きくなります。しかし、枚数が増えるに伴って導入コストも高くなる点には注意しなければなりません。
太陽光発電システムにかかる費用の多くは、太陽光パネルによって左右されます。したがって、性能や耐久性、コストパフォーマンスを慎重に比較して選ぶことが大切です。
パワーコンディショナー
太陽光パネルで作り出した直流電気を家庭で使用できる交流電気へと変換するために欠かせない装置です。太陽光発電によって得られる電気は直流であり、そのままでは家庭用の家電製品や設備に利用できません。
そこで、役立つのがパワーコンディショナーです。パワーコンディショナーが直流から交流への変換を担い、さらに電圧を家庭に適したレベルに整える役割を果たします。
設置方法には室内タイプと屋外タイプがあり、建物の構造や設置環境に応じて選択されます。変換効率の高さや設置場所の条件に合わせて機種を選べば、発電した電力を無駄なく活用できるようになるでしょう。
太陽光発電システムを安定して稼働させるために、パワーコンディショナーの品質や性能にも十分な配慮が必要です。
接続箱
各太陽光パネルからの直流電流を並列接続して集め、電圧を一定に保ったままパワーコンディショナーへ送る役割を担っています。通常、住宅の外部に設置され、複数のパネルからの配線をまとめる中継ポイントのような存在です。
各パネルから送られてくる電気を効率よく集めて、一定の流れに整えてから変換装置に渡すため、安定した発電システムの稼働に欠かせない装置といえます。最近では、接続箱とパワーコンディショナーの機能をひとつにまとめた製品も登場しています。
設置やメンテナンスの手間も考慮しながら、住まいに適したタイプを選びましょう。
分電盤
分電盤は変換された交流電気を安全に各回路へ分配・制御する役割を果たし、太陽光発電システムでつくられた電気を、家庭内へ供給するために不可欠な設備です。
パワーコンディショナーによって直流電気から交流電気に変換された電力は、分電盤を通じて各部屋や家電製品へと送り届けられます。
分電盤が機能してはじめて、発電した電気を家庭で自由に利用できるようになります。万が一、分電盤が設置されていなければ、発電した電力も家のなかで使えなくなるため、注意しなければなりません。
とくに、オール電化住宅の場合は、通常の分電盤に加えて、専用仕様の分電盤が必要となります。したがって、設計する段階から適切な設備選びを心がけましょう。
売電電力量計
太陽光発電システムでつくられた余剰電力を電力会社に売る際に、売電量を正確に計測するために必要な機器です。通常、建物には電力会社から購入した電力量を測定する買電メーターが設置されていますが、太陽光発電を導入する場合は売電専用のメーターも設置されます。
売電電力量計によって、どれだけの電力を電力会社へ供給できたかを数値で把握することが可能です。電気の流れが通常とは逆方向になるため、買電用・売電用どちらのメーターにも逆流を防ぐための機能が備えられています。
また、これらのメーターは法律により10年ご との交換が義務付けられており、長期的な売電収益の管理にも重要な役割を果たしているといえるでしょう。
引用元:デジタル庁 | e-Gov 法令検索「計量法施行令」(https://laws.e-gov.go.jp/law/405CO0000000329/)
発電量モニター
発電量モニターは、太陽光発電による発電量や家庭内で使用した以下の項目を一目で確認できる装置です。
● 電力量
● 売電した電力
● 購入した電力量
● 蓄電池の充電状況
上記の数値のみを表示するシンプルなタイプから、グラフ化して視覚的にわかりやすく表示する高機能モデルまで、さまざまな種類があります。基本的には、太陽光発電システムのセットに含まれています。
しかし、メーカーによっては別途オプションでの対応となる場合もあるため、導入時には注意が必要です。発電状況を常に把握できることで、エネルギー管理への意識も高まり、より効率的な電力活用につながるでしょう。
蓄電池
蓄電池は太陽光パネルによって生み出された電気を一時的に保存し、必要なタイミングで取り出して使える装置です。昼間に発電した電気を蓄えておけば、日照のない夜間や悪天候時にも安定して電力を利用できるため、非常に利便性の高い設備といえます。
また、台風や地震などで停電が発生した際には、非常用電源としても役立ちます。住宅のエネルギー自給率を高めたい場合や万一の備えを重視したい家庭にとっては、心強い存在となるでしょう。
なお、蓄電池は標準装備ではなく、希望に応じてオプションで設置する形となるため、導入の際には計画的な検討が必要です。
太陽光発電を設置するメリット
メリットは、以下の6つです。
● 電気代を節約できる
● 売電収入を得られる
● 断熱効果が期待できる
● 停電しても電気を使用できる
● 環境に貢献できる
● 補助金を利用できる
それぞれのメリットについて解説します。
電気代を節約できる
太陽光発電システムを導入すると、家庭で使用する電力の一部を自家発電でまかなえます。そのため、電力会社から購入する電気量を抑えることが可能です。
毎月の電気料金を軽減でき、家計負担の削減につながるでしょう。とくに、近年は燃料価格の高騰により電気代が上昇傾向にあるため、太陽光発電による安定的な電力供給はメリットとなります。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金は電気の使用量に応じて負担が発生しますが、自家消費分には適用されないため、その分も節約効果も期待できます。蓄電池を併用すれば、昼間に発電した電力を夜間にも活用でき、コストをより削減することも可能です。
売電収入を得られる
家庭で使用しきれなかった電力を電力会社に販売し、収入を得られる点もメリットのひとつです。売電による収益は、電気料金とは別に現金として振り込まれるため、月ごとの収支を明確に把握しやすくなります。
さらに、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)によって、10kW未満であれば国が定めた価格で10年間の売電が保証されているため、 安定した収入が見込める安心感も得られます。長期的な視点で見れば、太陽光発電は家計のサポートとなる存在になるでしょう。
引用元:経済産業省|資源エネルギー庁「買取価格・期間等(2025年度以降)FIT・FIP制度」(https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html)
断熱効果が期待できる
太陽光発電システムを設置すると、発電だけでなく住まいの断熱性能を高める効果も期待できます。屋根に太陽光パネルを設置することで、直射日光を遮れるようになります。
とくに、夏場に室内温度が上昇する原因となる屋根からの熱侵入を抑えられます。その結果、冷房負荷を軽減でき、より涼しく快適な環境を維持しやすくなるでしょう。
さらに、冬場でも太陽光パネルはよい効果をもたらします。夜間に生じる放射冷却を防ぐ働きがあり、室内の暖かい空気が外へ逃げるのを抑制します。そのため、暖房効率が高まり、冬でも暖かく過ごしやすい住環境を実現することが可能です。
このように、太陽光発電は季節を問わず住宅の快適性を高めるうえで役立つでしょう。
停電しても電気を使用できる
太陽光発電システムには自立運転機能が備わっているため、停電時でも電気を利用できるメリットがあります。地震や台風が頻発する日本において、突然の停電に備えられる安心感は大きなものとなるでしょう。
自立運転時には専用コンセントから電力を供給できるため、冷蔵庫や照明など最低限必要な家電を動かすことが可能です。ただし、発電できるのは太陽光が得られる昼間に限られるため、夜間の使用には限界があります。
なお、蓄電池を併用していれば、昼間に蓄えた電力を夜間にも使え、停電中でもより安定した生活を送ることが可能となります。また、V2H(Vehicle to Home)システムと連携することで、電気自動車の電力を住まいに供給する選択肢も広がります。
災害時の備えを強化するうえで、心強い設備といえるでしょう。
環境に貢献できる
地球温暖化対策が急務となるなか、石炭や石油といった化石燃料を使わず、二酸化炭素を排出しない太陽光発電は環境負荷の軽減に貢献します。火力発電とは異なり、大気汚染物質や温室効果ガスを発生させる心配がないため、空気の質を守る点でもメリットがあります。
身近なところから再生可能エネルギーへシフトできる手段として、住宅への太陽光発電システムの導入は非常に有効です。次世代によりよい環境を残すためにも、今後ますます重要性が高まる選択肢といえるでしょう。
補助金を利用できる
太陽光発電システムを導入する際には、自治体によって補助金制度が設けられている場合があります。制度を活用すれば、設置にかかる初期費用を抑えることが可能となり、経済的な負担を軽減できるでしょう。
なお、補助金の内容や支給額、申請条件は各地域で異なります。したがって、導入前に自治体のホームページや窓口で詳細を確認するようにしましょう。
近年では、環境負荷低減の取り組みが推進されている影響もあり、再生可能エネルギー導入に対する支援策は充実している傾向にあります。うまく制度を利用することで、システムを取り入れやすくなるでしょう。
太陽光発電を設置するデメリット
以下のようなデメリットがある点にも注意しなければなりません。
● 発電量が天候に左右される<
● 設置に向かない住宅がある
● 定期的なメンテナンスが必要となる
● 住宅に負荷がかかる
● 電力会社から電気を購入する必要がある
それぞれのデメリットについて解説します。
発電量が天候に左右される
日射量に依存するため、天気や気候の影響を受けやすい点には注意しなければなりません。晴天時には安定した発電が可能ですが、曇りや雨の日は発電効率が低下してしまいます。また、夜間は発電できないため、太陽光だけで常時電力をまかなうことは難しくなります。
さらに、気温が高すぎるとパネルの発電効率が低下する性質も持ち合わせている点も留意しておきましょう。夏だからといって、必ずしも発電量が最大になるとは限りません。
設置した場所の地域特性もポイントです。日照時間の長い内陸部や太平洋側では十分な発電が期待できる一方、日本海側や降雨量の多い地域では発電量が劣る傾向にあります。 そのほか、住宅の立地や屋根の向きなども考慮する必要があるでしょう。
設置に向かない住宅がある
家庭用太陽光発電は、すべての住宅に適しているわけではありません。屋根の形状や向きによっては十分な日照が得られず、期待どおりの発電効果を発揮できない場合があります。
また、周囲に高い建物や樹木が存在する環境では、長時間にわたり日陰ができてしまうでしょう。このような状況では、発電効率が大幅に下がるリスクもあります。
既存の住宅では、太陽光発電を前提とした設計がされていないケースも珍しくありません。設置スペースの不足や屋根の勾配が適していないことも課題となります。
さらに、旧耐震基準で建てられた住宅では、パネルの重さに耐えきれない可能性があり、補強工事が必要となるケースも考えられます。導入を検討する際には、住宅の状態や周辺環境を踏まえたうえで、慎重な判断が必要です。
定期的なメンテナンスが必要となる
長期間安定して活用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。設備は使用年数の経過とともに性能が徐々に低下し、一定のタイミングで交換が求められることがあります。
とくに、太陽光パネルには、汚れや落ち葉が付着することで発電効率が著しく下がるリスクもあります。そのため、定期的な清掃や点検が重要です。
しかし、作業には手間や費用が伴うため、初期投資だけでなく、将来的なメンテナンスコストについても事前に把握しておきましょう。
住宅に負荷がかかる
設置の際は、屋根にかかる荷重についても十分な配慮が求められます。新築時に導入を検討する場合は、屋根構造に太陽光パネルの重さを加味した設計が可能なため、大きな問題に発展する心配は少なくなります。
しかし、築年数が経過した住宅では、屋根の耐久性が不足しているケースも少なくありません。このような場合では、補強工事が必要になることもあるでしょう。
とくに、古い耐震基準で建てられた住宅では、屋根材や下地の強度が太陽光パネルの重みに耐えられない可能性も考えられます。安全に太陽光発電システムを導入するためには、事前に屋根の強度を確認し、必要に応じて補強を施したうえで設置計画を進めることが大切です。
電力会社から電気を購入する必要がある
自宅で使用する電力の一部を自家発電でまかなえるようになりますが、すべてを補えるわけではありません。悪天候の日や夜間は発電できないため、不足分は電力会社から電気を購入する必要があります。
太陽光発電を設置したからといって電気代が完全になくなるわけではない点に注意が必要です。ただし、家庭用蓄電池を併設すれば、日中に発電して余った電力を蓄えておき、夜間に自家消費することが可能になります。
また、夜間電力が割安となる料金プランを活用すれば、電気代を抑えられます。効率よく活用するためには、蓄電システムや契約プランの見直しをあわせて検討するとよいでしょう。
太陽光発電の設置タイミング
タイミングとして適しているのは、以下の場面です。
● 新築時に設置する
● 後付けで設置する
それぞれについて解説します。
新築時に設置する
新築時に導入するメリットは、家の設計段階から発電効率を考慮できる点にあります。パネルを最適な位置に配置できるため、無駄なく電力を生み出すことが期待できます。
また、設置のための追加工事が不要になり、全体のコストも抑えやすくなります。建築費用と合わせて住宅ローンに組み込めるため、資金計画を立てやすい点も魅力です。
新築時であれば、太陽光発電を組み込んだエネルギー効率の高い住宅設計が可能となり、売電による収益や電気代の節約効果をうまく引き出せます。加えて、ZEH仕様を目指せば、各種補助金や減税制度の対象となる可能性も広がるでしょう。
初期投資を抑えつつ、長期的な光熱費削減を目指すのであれば、新築時の導入が最適といえます。
後付けで設置する
後付けで導入する場合、すでに生活スタイルが確立されているため、実際にどの程度の発電効果が得られるかを体感しやすい利点があります。生活に必要な電力量が把握できている状態であれば、必要な発電量を見極めたうえで最適なシステムを選ぶことが可能です。
一方で、屋根の向きや形状によっては十分な発電量を確保できないリスクも考慮しなければなりません。また、既存の構造に合わせた施工となるため、設置にかかる工事費用が新築時より割高になる傾向があります。
加えて、新築と比較すると補助金や優遇策の対象外となる場合も多く、費用対効果を慎重に見極めることが必要です。
太陽光発電を設置する際のポイント
設置時のポイントは、以下の6つです。
● 最適な発電量を考える
● 日照量が十分に見込めるか確認する
● 設置に適した屋根の形状にする
● メンテナンスの体制を確認する
● 複数のハウスメーカーを比較検討する
● 補助金の有無を確認する
それぞれのポイントについて解説します。
最適な発電量を考える
発電量が多ければよいというわけではありません。発電した電力をすべて電力会社が買い取ってくれるとは限らず、エリアによっては発電量が多すぎると出力制御がかかるケースもあるため、注意が必要です。
導入の目的を明確にしたうえで、自宅で必要とする電力量や自家消費を想定する割合、蓄電池の有無などを総合的に考慮し、過不足のない発電量を見極めましょう。とくに、自家消費中心で運用する場合は、昼間に必要な電力をしっかりまかなえる設計が求められます。
日照量が十分に見込めるか確認する
導入するにあたって、自宅の屋根に十分な日射が確保できるかを事前に調べておくことが欠かせません。周囲に高層マンションや樹木、山などが存在し、日中の多くの時間帯で屋根に影が落ちるようであれば、期待どおりの発電量は得られないでしょう。
多少の陰であれば、一定の発電は可能です。しかし、一日を通して日射が安定しない場合、設置しても十分な効果が発揮できない可能性があります。
日照量は地域差も大きく、都道府県ごとに傾向が異なるため、施工を依頼する業者に過去の実績やデータを提示してもらい、慎重に判断することが重要です。周辺環境の事前チェックは怠らないようにしましょう。
設置に適した屋根の形状にする
太陽光発電の効果をより高めるためには、屋根の形や方角、傾斜角度に注意を払う必要があります。発電効率が高いのは、南向きの屋根に設置する場合です。東向きや西向きでは、効率が低下してしまうでしょう。
屋根の傾斜は、太陽光を効率よく受けられる30度前後 が理想とされていますが、季節や地域によっては5度前後でも効率的に発電できる場合もあります 。必要に応じて架台で調整することが重要です。
また、より多くの発電量が期待できるように、屋根の形状は正方形や長方形のようなシンプルなデザインが好ましいでしょう。
新築時であれば、設計段階から太陽光発電を考慮した屋根づくりが可能です。設計士とよく相談して、効率的な発電を目指しましょう。
メンテナンスの体制を確認する
新築時にハウスメーカーを通じて導入する場合は、建物の定期点検とあわせて設備の点検も依頼できるため、管理の手間が軽減される利点があります。しかし、瑕疵担保責任による無償点検は通常10年間に 限られ、その後は有料となるケースが一般的です。
太陽光パネル自体は長期使用が見込まれるため、設備の安全性を確保するためにも定期的なメンテナンスは欠かせません。導入時には、アフターサービスの内容や有償点検の体制についても事前に確認し、長期間にわたり安定して使用できる環境を整えることが大切です。
引用:国土交通省「瑕疵担保責任について」(https://www.mlit.go.jp/common/001303514.pdf)
複数のハウスメーカーを比較検討する
太陽光発電システムを導入する際は、複数のハウスメーカーを比較検討することが重要です。価格面だけでなく、施工実績の豊富さや、採用しているパネルメーカーの信頼性にも注目しましょう。
また、顧客の要望に柔軟に応じて提案してくれるか、導入後のアフターサービスが充実しているかといった点も見極める必要があります。初期費用の安さだけにとらわれず、さまざまな視点から最適なハウスメーカーを選びましょう。
補助金の有無を確認する
太陽光発電を導入する際は、補助金制度の有無を必ず確認しましょう。かつては多くの自治体で補助金が用意されていましたが、設置コストの低下に伴って制度を終了している地域も増えています。
現在も補助金を実施している自治体では、費用負担を抑えることが可能です。ただし、支給対象となる条件や上限金額は地域ごとに異なるため、あらかじめ自治体のホームページや窓口で詳細を確認し、計画に組み込むようにしましょう。
まとめ
太陽光発電を導入することで電気代を節約できるほか、売電収入を得ることも可能です。ただし、天候や地域特性による発電量の変動には注意が必要です。ほかにも、住宅の条件に応じて設置できない可能性や定期的なメンテナンスの必要性といった点も考慮しましょう。
また、新築時に設置する場合と後付けする場合とで得られるメリットにも違いがあります。それぞれの特徴を踏まえたうえで、適切なタイミングと方法を選ぶことが大切です。補助金制度やハウスメーカー選びも含め、長期的な視点で計画を立てましょう。
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