「おいしい野菜を安心してたくさん食べたい!」そう思ったとき、新鮮な野菜を買える直売所が、身近な場所にあったらうれしいですよね。
今回紹介するのは、群馬県太田市鳥山上町にある「株式会社ビオベジ(以下、ビオベジ)」。
こちらでは、有機JAS認証を取得した畑で育てた野菜をはじめ、平飼い有精卵や自家農産物を使った加工品などを販売しています。
約3haの畑では、農薬・除草剤・化学肥料を使わずに育てた朝採り野菜を販売。
さらに、薬膳キムチやプリン、濃厚ポタージュ、手作りみそなど、野菜の恵みを活かした加工品も充実しています。
この記事では、ビオベジで購入できるものや、野菜づくりへのこだわり、地域との取り組みについてご紹介します。
朝採れ野菜から手作り加工品まで!

群馬県道78号太田大間々線を南に進むと、ひときわ目を惹くピンク色の文字が見えてきます。

入り口には、色彩豊かな野菜の看板がありました。

さっそく店内に入ってみます。

店内はピンク色で統一され、かわいらしい印象です。
靴を脱いで、お店のスリッパに履き替えます。

店頭には、鮮度の高い朝採れの野菜をはじめ、さまざまな商品が並んでいます。

この日販売されていたのは、
・有機野菜
(トマト・なす・ズッキーニ・コリンキー・ゴーヤ・ネギ・じゃがいも・玉ねぎなど)
・平飼い有精卵
・濃厚ポタージュ
・梅干し・梅シロップ
・トマトソース
・手作りみそ
・よもぎバーム
など。
予約制で、酵素玄米弁当も購入できます。

野菜だけでなく、毎日の食卓に取り入れやすい加工品まで揃っているのが特徴です。
こちらで販売している野菜は、自家農場で育てたもの。
サッカーコート約4面分にあたる約3haの畑を管理し、すべての畑で国の厳しい安全基準を満たした有機JAS認証を取得しています。
できる限り朝採りすることにもこだわっているため、その日に採れたばかりの野菜に出会えるのも直売所ならではの魅力です。
畑の資源を循環させる「カスミック農法」

ビオベジの野菜づくりを支えているのが、代表の鈴木香澄さんが考案した「カスミック農法」です。
「畑に入れない、畑から持ち出さない」という考えを大切にした循環型の農業で、農薬・除草剤・化学肥料を使わず、落ち葉や蚕のフンなどを堆肥として活用しています。
畑で育てた植物も、次の作物を育てるための資源として活用。
畑の中で栄養を循環させながら、野菜を育てているそうです。

さらに、月の満ち欠けや雨の周期、虫の産卵時期など、自然界のリズムも意識しているのだとか。
「うちでは基本的に水やりをしません。雨が降るのにも周期があるので、そのタイミングに合わせて種まきをしています。」
虫の産卵時期を避けて栽培することで、農薬を使わずに虫食いの少ない野菜を育てる工夫もしているそうです。
こうした農法は、鈴木さんが独学で研究を重ねながらたどり着いたもの。
自然の力を活かし、手間を惜しまず育てられた野菜は、店頭でも色鮮やかに並んでいました。
「子どもに食べさせたい」から始まったオーガニック農業

鈴木さんは、もともと農業経験があったわけではありません。
製鉄会社でOLとして働き、結婚を機に群馬県で暮らし始めました。
妊娠をきっかけに食べ物について考えるようになり、「子どもには、できるだけ安心できるものを食べさせたい」と思うようになったそうです。

ところが当時、太田市では自分が理想とする無農薬やオーガニックの食材が十分に流通していませんでした。
「ないのなら、自分でつくるしかない」
そう思い、農業未経験ながら独学で農業を学び始めました。
最初は自宅の駐車場からスタート。
砂利を剥がし、約10トンの土を入れて家庭菜園を始めたといいます。
親戚に農家がいたわけでも、農業研修を受けたわけでもありません。
「まったく未知の世界だったからこそ、先入観を持たずに挑戦できました。」
そう語る鈴木さん。
現在では約3ha、30か所の畑を管理しています。

一方、農業を続ける中では、人と一緒に働く難しさにも向き合ってきたそうです。
農業を始めた当初を振り返り、「畑のお世話よりも、人間関係のほうが大変だった」と笑いながら話してくれました。
「すり合わせをして、価値観を確認することが大切。歩調を合わせることが大事だと感じてます。」
農業も会社も一からつくってきた鈴木さん。
現在のビオベジには、これまでの歩みが詰まっています。
畑の恵みを、食卓と地域の未来へ

ビオベジでは、畑で育てた野菜をそのままお届けするだけでなく、加工品としても販売しています。
添加物を使用せず、形や大きさなどの理由で規格外となった野菜も無駄にしないよう、濃厚ポタージュや酵素玄米弁当、薬膳キムチ、プリンなどに加工しています。

朝採れの有機野菜と、畑の恵みを活かした加工品を一緒に選べるのは、家族の健康を考える人にとってうれしいポイントです。

また、ビオベジでは、子どもたちの収穫体験やオーガニック給食への野菜提供など、地域の人が食や自然に触れられる機会もつくっています。
そして、鈴木さんが今後の目標として話してくれたのが、「一次産業の賃金を上げたい」ということ。
農業が好きでも、生活のために続けられない人がたくさんいる現状を変えるため、レトルト食品などの加工品事業を成長させ、農業で働く人の収入向上につなげたいと考えています。

また、これまでビオベジを支えてくれたお客さんへの感謝も口にしていました。
「誰も買ってくれなかったら、今はない」
以前からずっと通い続けている常連のお客さんもいるそうです。

朝採れの有機野菜を身近な場所で購入でき、畑の恵みを生かした加工品も選べる株式会社ビオベジ。
子どもと一緒に食や農業に触れる機会があり、地域の農業について考えるきっかけにもなる場所です。
毎日の食卓に取り入れたい野菜や加工品を探しに、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
株式会社ビオベジ
住所:群馬県太田市鳥山上町2368-1
アクセス:東武桐生線「治良門橋駅」から徒歩約6分
営業時間:10:30-18:00
定休日:なし
TEL:0276-52-8315



