みなさんは、お蕎麦は好きですか?
太田市藪塚町の住宅街にある「蕎麦 貴石(きしゃく)」は、蕎麦とガレットという意外な組み合わせが楽しめるお店です。
工場の中に古民家風の店舗があり、入口にはフランス国旗を思わせるのれん。
和と洋が調和する空間で、水琴窟の音色を聴きながら蕎麦の香りや食感など五感で楽しむことができます。
今回は、20年愛され続ける「蕎麦 貴石」の魅力をご紹介します。
フランス国旗が目を引く工場と古民家が融合した個性的な外観

蕎麦 貴石は、2006年9月にオープンしたお店です。
工場と古民家風という対照的な空間が共存している外装に、思わず足を止めてしまいます。

入り口にはフランス国旗を思わせるのれんがあり、ここでも和と洋が混ざり合う不思議な調和でワクワクします。

石臼の表札もステキで、蕎麦を食べたい気持ちが一気に高まります
水琴窟の音色が響く落ち着いた店内

店内は、白い壁とこげ茶色の柱や梁が印象的な古民家で、和のあたたかみと落ち着いた空間が広がっています。

奥へ進むと、水琴窟が目に入ります。
清らかな音色が店内に静かに響き、澄んだ空気に包まれているような心地よさを感じました。

座席数はテーブル席が3〜4卓、奥にお座敷1つあります。

奥の座席へ案内されると、テーブル上のおしゃれなランプが印象的でした。
「蕎麦×ガレット」異色の組み合わせを実食

メニューは、平日限定のシンプルきしゃくランチ(1100円)と土日祝日限定のきしゃくランチ(1600円)。
蕎麦とハムチーズガレットと蕎麦のハニートーストから、好きな組み合わせを2つ選べます。
「せいろ・かけ・つゆあつ」は、+150円で「おとうふせいろ」に変更することも可能です。
平日の11時頃に伺った私は、シンプルきしゃくランチを注文。
「おとうふせいろ」とハムチーズガレットを選び、「デザート&ドリンク」も追加しました。

届いたおぼんには、蕎麦の隣にガレット、箸の横にはフォークとナイフ。
その光景を見て、ピンときました。
「なるほど…石臼の表札が蕎麦で、フランス国旗ののれんがガレットか!」
外観で感じた、和と洋の不思議な調和の伏線を回収することができました。

まずは「おとうふせいろ」からいただきます。
店員さんに教えていただいた通り、とろりとした豆腐につゆを混ぜます。

蕎麦をつけて、さっそく一口。
豆腐のやわらかな口当たりとやさしい甘みが広がり、その後から蕎麦の華やかな香りがふわっと鼻を抜けました。
コシのある蕎麦とまろやかな豆腐つゆの相性も抜群です。

蕎麦粉は群馬県産で無農薬を使用。
年に2回、7月と11月に新蕎麦を仕入れ、石臼で挽いているそうです。
「つゆは、開店当初から変えていません」と店主。
かつおと昆布で出汁をとり、シンプルだけどしっくりくる味に仕上げているとのことでした。

続いてハムチーズガレットをいただきます。
フォークとナイフで切り分けて一口食べると、香ばしい香りが広がりました。
生地は、炒った蕎麦茶と蕎麦粉で作っているのが特徴。
試行錯誤の末、この製法にたどり着いたそうです。
チーズはご主人が太鼓判を押すスイス産のグリエールチーズ、ハムは蕎麦の香りを邪魔しないノンスモークを使用。
細部までこだわる店主の職人魂が感じられます。
蕎麦という和の料理とガレットという洋の料理。
一見対照的ですが、「そばの香り」という共通点があり、自然に調和していました。
蕎麦のスフレチーズケーキと蕎麦コーヒー

食後に、蕎麦のスフレチーズケーキとミニ蕎麦コーヒーをいただきました。

スフレチーズケーキもふわふわでおいしい!
上にかかっているのはきな粉ではなく、炒った蕎麦の実をミキサーにかけた「蕎麦の実粉」だそうです。
さらに生地には小麦粉を使わず、蕎麦粉とメレンゲだけで作っているとのこと。
グルテンフリーで、健康志向の方にもうれしい一品です。

続いて蕎麦コーヒーを一口。
雑味がなく、ほんのりと蕎麦の香りが広がります。
水琴窟の澄んだ音色に耳を傾けながら、しみじみと食事を楽しむ時間。
静かに響く音に包まれた空間で、心地よいひとときを過ごすことができました。
20年愛され続ける店主のこだわり

工場と古民家風の外観という意外な組み合わせになった理由を店主に伺いました。
店主のお父様がプラスチック工場を営んでいたのだそう。
お父様の他界後、空いた工場を活用してお店を始めました。
古民家風にした理由は「和風は自然で飽きが来ないから」。
工場と組み合わせ、個性的な外観に仕上げたといいます。
DIYが得意な店主は、リノベーションと並行して3ヶ月かけて内装の白木を自ら塗装。
自分の手で仕上げた店内には、特別な愛着があると話してくれました。
そして、千葉県の会社を脱サラし、蕎麦店を開くことを決意。
「日本人の口に合うものだから」と蕎麦を選び、2年間修行した後2006年にこちらのお店をオープンしました。
当初は蕎麦のみでしたが、「他にないもの」を求めてガレットをメニューに取り入れました。
今ではこのお店の人気メニューになっています。

「お客さんにおいしいと言ってもらえることがうれしい」
20年通い続けるお客さんもいるそうで、それが励みになっているといいます。
震災やコロナ禍など、厳しい時期ものりこえてきたこのお店。
店主の夢は「長く続けること」。
語る店主の目は、とても透き通っていました。
水琴窟の音色、蕎麦の香りと味わい、豆腐つゆのふわふわ食感、ガレットの香ばしさ。
五感で楽しめる魅力が詰まったお店でした。
五感で楽しむ蕎麦を食べたい方は、ぜひ足を運んでみてください。
蕎麦 貴石
住所:群馬県太田市藪塚町1238-3
アクセス:東武鉄道桐生線「藪塚駅」から徒歩約14分(車で約4分)
営業時間:11:00~14:30(L.O14:00)
定休日:日曜・月曜(祝日営業の場合あり)
TEL:0277-78-7766
駐車場:6台



